第7回ベクター賞 受賞事例のご紹介
2020/08/24
イグス(株)
~革新的なエネルギー供給システムの使用事例~
イグス(本社ドイツ)は、エナジーチェーンやチェーンフレックス 可動ケーブルを使用した独創的なエネルギー供給システムの事例を表彰するベクター賞を、2年に一度開催しています。今年の第7回ベクター賞には、32ヶ国から266の事例が集まりました。最も革新的なアプリケーションとしてベクター金賞に選ばれたのは、イタリアのGildemeister Italiana社の多軸旋盤です。
●ベクター金賞はGildemeister Italiana社による多軸旋盤
Gildemeister Italiana社の多軸旋盤は、リードタイムや段取り時間、プロセス開発および統合に必要な作業を削減すると同時に、複雑化する工程にも対応しています。機械の心臓部は、複数の加工を同時に行う6つのスピンドルを備えたスピンドルドラムで、ドラムは迅速かつ正確に加工物を加工位置まで動かします。1つのスピンドルが次の加工位置まで移動する時間はわずか0.65秒です。また、6つのステーションで加工が完了した後、スピンドルがスタート位置に戻るにはドラムを300度逆回転させる必要がありますが、その所要時間は重量が3トンを超えるユニットでもわずか1秒です。
最大の課題は6つのスピンドルすべてに安全にエネルギーを供給するシステムでした。解決策として採用されたのが、ドラムに合わせて回転し、スピンドルドラムの直線動作を可能にした独自のエネルギー供給システムです。この多軸旋盤には、イグスのエナジーチェーンが合計8本、ケーブル64本、ホース73本が使用されています。
●ベクター銀賞は宇宙監視レーダー、銅賞は摩擦攪拌接合装置
ベクター銀賞は、フラウンホーファー研究所の「GESTRA」プロジェクトに採用されたAlpinaTec社(オーストリア)の宇宙監視レーダーに贈られました。「GESTRA」は、スペースデブリの探索とマッピングに使用されるレーダーベースシステムです。方位角軸には複雑な回転型エネルギー供給システムが特別設計され、仰角軸には両側にダブルチェーンシステムが採用されています。
ベクター銅賞は、Grenzebach Maschinenbau社(ドイツ)の摩擦攪拌接合装置に贈られました。溶接ヘッド内のエネルギー供給機構も付随物も柔軟性を持たせる必要がありました。限られた設置スペースでR4エナジーチェーンとツイスターバンドを直接接続して、創造的かつフェイルセーフなソリューションを実現しています。
●サステナブルな事例に贈られるグリーンベクター賞
サステナビリティはイグスにとって非常に重要なテーマです。例えば、ドイツのイグス本社では2019年末から使用済みエナジーチェーンを回収し、リサイクルしています。このような理由から、今回初めてエナジーチェーンを使用した特にサステナブルなプロジェクトにグリーンベクター賞を贈ることとなり、アメリカのDrop Water社とドイツのHuber社のアプリケーションが選出されました。
Drop Water社は、ボタンを押すと生分解性容器に飲料を充填する飲料自動販売機で受賞しました。自動販売機は設置場所の水源につながっているため、水を運ぶ必要がありません。ハーネス済みレディーチェーンが、リニアロボット用ケーブルを安全かつ確実にガイドします。
Huber社の下水汚泥処理装置は、エジプトの水処理プラントにおいて太陽エネルギーを利用して下水汚泥を乾燥させています。水分を取り除いた汚泥は、天日乾燥によって質量・体積ともに約4分の1まで減り、粒状物に変換されます。このプラントでは、バハル・エル・バカール運河システムより汲み上げた汚染水を処理し50万人分の飲料水を供給することができます。自動装置に電力や動力を確実に供給するために、チェーンフレックス 可動ケーブルを備えたエナジーチェーンが、ストローク100mの128ユニットに使用されています。
第7回ベクター賞に関する詳細情報や授賞式の様子、およびその他の応募事例は下記URLよりご覧いただけます。
www.igus.co.jp/vector-award
イグス(本社ドイツ)は、エナジーチェーンやチェーンフレックス 可動ケーブルを使用した独創的なエネルギー供給システムの事例を表彰するベクター賞を、2年に一度開催しています。今年の第7回ベクター賞には、32ヶ国から266の事例が集まりました。最も革新的なアプリケーションとしてベクター金賞に選ばれたのは、イタリアのGildemeister Italiana社の多軸旋盤です。
●ベクター金賞はGildemeister Italiana社による多軸旋盤
Gildemeister Italiana社の多軸旋盤は、リードタイムや段取り時間、プロセス開発および統合に必要な作業を削減すると同時に、複雑化する工程にも対応しています。機械の心臓部は、複数の加工を同時に行う6つのスピンドルを備えたスピンドルドラムで、ドラムは迅速かつ正確に加工物を加工位置まで動かします。1つのスピンドルが次の加工位置まで移動する時間はわずか0.65秒です。また、6つのステーションで加工が完了した後、スピンドルがスタート位置に戻るにはドラムを300度逆回転させる必要がありますが、その所要時間は重量が3トンを超えるユニットでもわずか1秒です。
最大の課題は6つのスピンドルすべてに安全にエネルギーを供給するシステムでした。解決策として採用されたのが、ドラムに合わせて回転し、スピンドルドラムの直線動作を可能にした独自のエネルギー供給システムです。この多軸旋盤には、イグスのエナジーチェーンが合計8本、ケーブル64本、ホース73本が使用されています。
●ベクター銀賞は宇宙監視レーダー、銅賞は摩擦攪拌接合装置
ベクター銀賞は、フラウンホーファー研究所の「GESTRA」プロジェクトに採用されたAlpinaTec社(オーストリア)の宇宙監視レーダーに贈られました。「GESTRA」は、スペースデブリの探索とマッピングに使用されるレーダーベースシステムです。方位角軸には複雑な回転型エネルギー供給システムが特別設計され、仰角軸には両側にダブルチェーンシステムが採用されています。
ベクター銅賞は、Grenzebach Maschinenbau社(ドイツ)の摩擦攪拌接合装置に贈られました。溶接ヘッド内のエネルギー供給機構も付随物も柔軟性を持たせる必要がありました。限られた設置スペースでR4エナジーチェーンとツイスターバンドを直接接続して、創造的かつフェイルセーフなソリューションを実現しています。
●サステナブルな事例に贈られるグリーンベクター賞
サステナビリティはイグスにとって非常に重要なテーマです。例えば、ドイツのイグス本社では2019年末から使用済みエナジーチェーンを回収し、リサイクルしています。このような理由から、今回初めてエナジーチェーンを使用した特にサステナブルなプロジェクトにグリーンベクター賞を贈ることとなり、アメリカのDrop Water社とドイツのHuber社のアプリケーションが選出されました。
Drop Water社は、ボタンを押すと生分解性容器に飲料を充填する飲料自動販売機で受賞しました。自動販売機は設置場所の水源につながっているため、水を運ぶ必要がありません。ハーネス済みレディーチェーンが、リニアロボット用ケーブルを安全かつ確実にガイドします。
Huber社の下水汚泥処理装置は、エジプトの水処理プラントにおいて太陽エネルギーを利用して下水汚泥を乾燥させています。水分を取り除いた汚泥は、天日乾燥によって質量・体積ともに約4分の1まで減り、粒状物に変換されます。このプラントでは、バハル・エル・バカール運河システムより汲み上げた汚染水を処理し50万人分の飲料水を供給することができます。自動装置に電力や動力を確実に供給するために、チェーンフレックス 可動ケーブルを備えたエナジーチェーンが、ストローク100mの128ユニットに使用されています。
第7回ベクター賞に関する詳細情報や授賞式の様子、およびその他の応募事例は下記URLよりご覧いただけます。
www.igus.co.jp/vector-award