モジュラー式陸上電⼒供給システム、エナジーチェーンディスペンサー

2017/11/16

イグス(株)

港湾に停泊中の船舶の船内発電機エンジンによる排出ガスを削減しようという動きは、船舶業界で大きな課題となっています。その対応策として注目されているのが、陸上電力供給(陸電供給)システムです。モーション・プラスチック(※)カンパニーのイグス株式会社(東京都墨田区)は、この度、陸電供給が安全でシンプルに行えるようモジュラー式給電システム「エナジーチェーンディスペンサー」を開発しました。指定の係留ポイントに「エナジーチェーンディスペンサー」を設置し、伸長式エナジーチェーンと高屈曲ケー
ブルにより、安全な電力供給を確保します。

船舶の種類により、ケーブルガイドシステムに対する要件は異なります。フェリーの場合、陸電供給システムは通常「ケーブルディスペンサー」によって行われます。このシステムは大型定置式クレーンで、1本または複数の多心ケーブルをプラグイン接続して延長します。延長ケーブルにはカバーがついていないため、使用時には潮流や波の動き、更には貨物の積み下ろし作業によって大きな負荷がかかります。そこでイグスは、陸から船舶へのケーブルを安全にガイドする「エナジーチェーンディスペンサー」を開発しました。

10メートル以上伸長する陸電供給システム「エナジーチェーンディスペンサー」「エナジーチェーンディスペンサー」は、港湾の係留ポイントに設置され、伸長可能な旋回アームで船舶への陸電供給を容易にします。アーム動作や10メートルを超えるエナジーチェーンの伸長は電動で行われます。制御は陸上の操作パネル、あるいは船上からの遠隔操作で行います。
「エナジーチェーンディスペンサー」は3つのコンポーネントで構成されています。(1)レディーチェーン、(2)エナジーチェーン押し引き機構、および(3)支持構造です。「レディーチェーン」とは、ハーネス済みケーブルが収納されたエナジーチェーンのことで、このシステムでは高性能ポリマー製多軸動作向けケーブル保護管「トライフレックス」が使われています。よって、直進だけでなく曲がる、捻じるといった動作にも無理なく追従します。このレディーチェーンをエナジーチェーン押し引き機構によって出し入れします。
押し引き機構は、引き出すエナジーチェーンの長さ調節も可能です。また、同機構を1モジュールとして5個まで隣接取付け可能なので、様々な船舶の種類に対応。アラームや電力供給遮断の信号のほか、牽引や長さのモニター機能も付属することができます。
このコンパクトな陸電供給ソリューションは、国際規格IEC 80005要求を満たしており、すでにノルウェーのベルゲン市に3基の導入実績があります。

(※)モーション・プラスチック…機械可動部での使用に適したプラスチック製部品、を意味する当社用語。