1 CC-Link協会20周年~これまでとこれから~
一般社団法人CC-Link協会(CLPA)は、CC-Linkファミリーの普及活動をグローバル規模で展開するオープンネットワーク推進団体です。主な活動としては、CC-Linkファミリーの技術仕様策定やコンフォーマンステストの実施、CC-Linkファミリーを活用した機器や装置の開発サポート、ユーザーの機器選定支援、CC-Linkファミリー普及のためのグローバル規模での各種広報活動などがあります。
会員数134社で発足したCLPAは毎年拡大を続け、2020年10月時点ではパートナー会員約3,800社(そのうち約80%は海外企業)、認定製品数約2,100件を数えます。また、世界11地域の活動拠点および9つの幹事会社とともに、グローバルでCC-Linkファミリーの普及加速を進めております。さらにCC-Linkファミリーは、国際標準であるISO規格・IEC規格をはじめ、半導体・FPD業界国際スタンダードSEMIや、各国家規格が発行され、グローバルスタンダードとして認められています。
■年表

今年度CLPAは設立20周年を迎えました。
これもひとえにお客様、ユーザーおよびパートナーの皆様のご支援、ご愛顧の賜物であり、心より感謝申し上げます。
「日本発&初のフィールドネットワーク「CC-Link」を世界のオープンネットワークへ」を合言葉に、2000年11月にCLPAは発足しました。それから20年、産業用ネットワークに対する市場からの要望も大きく変化してきました。「CC-Link」に続き、業界初の1Gbps Ethernetをベースとした産業用オープンネットワーク「CC-Link IE」のコンセプトを2007年に発表、そして世界に先駆けて産業用オープンネットワークにTSN(Time-Sensitive Networking)技術を採用した「CC-Link IE TSN」の仕様を2018年に公開と、CLPAとその技術は時代と共に進化して参りました。
■CC-Linkファミリーロードマップ

CC-Link IE TSNは、従来のCC-Link IEに対する市場からの要望に応え、Industry 4.0に代表される「IoTを活用したスマート工場の構築」を加速するべく誕生しました。FA(生産現場)とITの融合を実現すると共に、効率的なプロトコルにより従来のCC-Link IEの性能・機能をさらに強化しました。また、開発手法の多様化によりさまざまなタイプの機器におけるCC-Link IE TSN対応が容易となります。仕様公開から2年となる2020年10月現在、CC-Link IE TSN対応製品の開発および市場投入が進み、実際にさまざまな生産現場へ導入され始めています。今後は、ローカル5Gの活用で生産システムの構築がよりシンプルかつ柔軟になります。CC-Link IE TSNによるネットワーク一本化とローカル5G技術を組み合わせて、新しい工場のありかたを提案していきます。さらに、FA (生産現場) とITの融合によるサイバー攻撃等のリスクに対応するためセキュリティ対策も同時に進め、安心してご使用頂けるセキュリティシステムの構築を目指します。
これからもCLPAはネットワーク技術を牽引するパイオニア、またチャレンジャーとして、パートナーの皆様と共に、お客様のスマート工場の構築を加速させる真にオープンな産業用ネットワークを、ますますグローバルに展開していきます。
■CC-Link IE TSNコンセプト

おかげさまで、CLPAは2020年11月に設立20周年を迎えます。これもひとえに、ユーザーおよびパートナーの皆様のご支援、ご愛顧の賜物であり、心より感謝申し上げます。これからもCLPAはネットワーク技術を牽引するパイオニア、またチャレンジャーとして、パートナーの皆様と共に、お客様の「スマート工場」の構築を加速させる真にオープンな産業用オープンネットワークを、ますますグローバルに展開していきます。
2 CC-Link IE TSNの特長
(1)FA(制御通信)とIT(情報通信)の融合
リアルタイム性を確保した制御通信を実施しながら、他オープンネットワークの通信やITシステムとの情報通信を同一ネットワークで融合可能とすることで、システム構成の自由度を 向上し、配線コストを大幅に削減できます。

(2)高速・高精度な制御の実現
CC‐LinkIE TSNは、時分割方式を採用しました。ネットワーク内で同期している時刻を活用し、決められた時刻で、出力と入力の通信フレームを双方向に同時に送信することで、ネットワーク全体の サイクリックデータを更新する時間を短縮させることが可能です
またCC‐Link IE TSNでは、同一ネットワーク内で複数の通信周期で運用することができます。これにより、サーボアンプのような高性能の通信周期を必要とする機器の性能を維持したまま、リモート I/Oなど高速な通信周期を必要としない機器をつなぐなど、それぞれの機器の特性に合わせ通信周期を最適化することが可能になり、駆動制御の性能を最大化しタクトタイム短縮を図ることができます。

(3)システムの早期立ち上げや高度な予知保全
TSNで規定された時刻同期プロトコルにより、CC‐Link IE TSNに対応した機器は機器間の時刻のズレを補正し、高精度な時刻同期を行っています。マスタやスレーブがそれぞれ持つ時刻情報をマイクロ秒単位で合わせているため、例えばネットワークに異常が発生したときの動作ログ解析時に、異常に至るまでの事象を正確な時系列で追えるようになります。 これによりトラブルの原因究明と早期復旧を行うことができます。さらには、ITシステムへ生産現場の情報と正確な時刻情報を紐づけて提供することが可能となり、AIを活用したデータ解析アプリケーションによる予知保全などで、より一層の精度向上が期待できます。

3 導入事例
最新のCC-Link IE TSN導入事例としまして、中国・機械工業儀器儀表総合技術経済研究所(ITEI)と韓国・Smart Manufacturing Innovation Center(SMIC)をご紹介いたします。
(1)半導体(ボンディング)
中国・機械工業儀器儀表総合技術経済研究所(ITEI)は長期に渡り智能製造、IIoT、工業自動化、智能計器等の領域における研究と標準化活動に従事しております。
I T E I のモデルラインは智能製造標準化の「智能ワークショップのテストベッド」として認定されています。ERP/APS/MESシステムを介して生産指示をスケジューリングし、全てのデータをリアルタイムで収集、分析、処理することが出来ます。2020年度にCC‐Link IE TSNを導入 予定で、IT層とFA(OT)層を同一ネットワークで構築します。

(2)SMICモデルライン
SMICは、スマート工場構築に関する調査や研究を推進する韓国の政府系機関です。その中で最新FA・ICT技術とEdge Computingを主軸としたスマート製造モデル工場を構築しており、CC-Link IE TSNを活用して、FA-IT連携による同一ラインでの変種変量生産や、AIによる予知保全を実現しております。

問い合わせ先
- CC-Link協会
- 〒462-0825
愛知県名古屋市北区大曽根3-15-58 大曽根フロントビル6階 - TEL : 052-919-1588
- FAX : 052-916-8655
- お問い合わせ : https://www.cc-link.org/jp/contact/index.html
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