1. スマート工場が求められる背景
CC-Link IE TSNは、従来のCC-Link IEに対する市場からの要望に応え、Industry 4.0に代表される 「IoTを活用したスマート工場の構築」を加速するべく誕生しました。FA(生産現場)とITの融合を実現 すると共に、効率的なプロトコルにより従来のCC-Link IEの性能・機能をさらに強化しました。また、開発 手法の多様化によりさまざまなタイプの機器におけるCC-Link IE TSN対応が容易となります。仕様 公開から4年となる2022年11月現在、CC-Link IE TSN対応製品の開発および市場投入が進み、実際 にさまざまな生産現場へ導入され始めています。
2. CC-Link IE TSN 導入事例
CLPAはTSN技術を適用したCC-Link IE TSNにより、「Connected Industries」の世界を目指しています。 生産現場におけるFAシステムの階層においては、無線化に対する市場要望やセキュリティに対する市場要望の声が強くなってきています。CLPAでは無線やセキュリティに対する各ガイドラインおよび認証試験仕様を策定中で、製造現場における無線技術を適用した新しい工場の在り方を提案していきます。さらに、FAとITの融合によるサイバー攻撃等のリスクに対応するためのセキュリティ技術の活用により安心してご使用頂けるセキュリティ環境の構築も提案していきます。
無線・5Gの活用
近年、市場では「スマート工場」実現に向けて、FAシステムの無線化に注目が集まっています。
①多品種少量生産による頻繁な切替えに対応したラインのレイアウトフリー化
②リモートによる生産ラインの監視/制御 CC-Link IE TSNでは、まずはIP通信との親和性を活かし、情報・監視用途での適用を考えています。 今後は制御用途への適用を検討し、AGVなどへの活用や、生産ラインの自由なレイアウト変更など、非常に柔軟なシステム構築が可能になるよう考えています。
FA(OT)とITの融合とセキュリティの両立
産業用制御システム(ICS)のネットワークは物理的に分離されており、サイバー攻撃に対してほとんど免疫がありません でした。昨今の産業用システムはオンライン化され、技術的な統合によってビッグデータとスマートな分析を提供するよう になりましたが、このようなクローズドシステムからオープンシステムへの移行により、新たなサイバーセキュリティリス クも発生します。FA(OT)とITの融合とセキュリティ対策は、両輪で進める必要があると考えています。
ITシステム、FAシステムに押し寄せてくるセキュリティ脅威、ITシステムではインターネット経由のマルウェア感染、FA システムではDOS攻撃によるネットワーク過剰負荷などのリスクに対する対策が必要になります。 ITシステムでは標準Ethernetのセキュリティー技術の適用、FA(OT)システムでは、CC-Link IE TSN上のセキュリティ 技術、およびスイッチのセキュリティ技術の適用を検討していきます。
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