T5/T10とAT5/AT10の違いとは?歯形形状から読み解く強度とバックラッシの差異
2026/07/30
漢徳威自動化科技股份有限公司
装置を組み立てたばかりで、稼働から1か月も経たないうちにタイミングベルトが異常摩耗したり、コマ飛び(ジャンピング)を起こしたりしていませんか?
これは、高速かつ頻繁な正逆運転機構を設計する際、多くの機械設計エンジニアが直面する課題です。モーターのトルク計算を正確に行い、一般的なT10タイミングプーリを採用したにもかかわらず、急停止や逆転時に歯根のせん断破壊が発生したり、バックラッシ(Backlash)が大きいために位置決め精度が徐々に低下したりすることがあります。この問題の原因はモーターではなく、プーリの「歯形選定」にあるケースがほとんどです。
形状と受力構造の根本的な違い
TシリーズとATシリーズはどちらも台形歯形ですが、その設計思想は大きく異なります。
• T5 / T10(標準台形歯): DIN 7721規格に基づいて設計されています。歯根が比較的薄く、歯深も浅いため、主に軽負荷搬送や一般的なトルク伝達に適しています。頻繁な急停止や高加速度が発生する環境では、薄い歯根に応力が集中しやすく、コマ飛びや歯のせん断断裂を引き起こす原因となります。
• AT5 / AT10(高負荷先進型): 「AT」は「Advanced Technology(高度技術)」を意味します。このタイプのプーリは、歯根の断面積を大幅に増加させ、歯先とプーリ溝の接触面積を広げています。歯根の耐せん断性が飛躍的に向上しており、同ピッチのTシリーズと比較して許容トルクが約30%〜50%向上し、衝撃荷重を効率的に吸収することができます。
1. 歯形設計
T5 / T10 タイミングプーリ:標準台形歯(歯元が薄い)
AT5 / AT10 高負荷用タイミングプーリ:強化型台形歯(歯元を厚肉化)
2. トルク性能・バックラッシ
T5 / T10 タイミングプーリ:標準トルク、バックラッシが大きい
AT5 / AT10 高負荷用タイミングプーリ:高トルク(約30~50%向上)、極めて低バックラッシ
3. 主な用途
T5 / T10 タイミングプーリ:一般搬送装置、一方向駆動機構
AT5 / AT10 高負荷用タイミングプーリ:頻繁な正逆転機構、多軸ロボット、高精度リニアステージ
よくある質問(FAQ)
Q1:もともとT5のプーリを使用していますが、ベルトだけ直接AT5に変更することはできますか?
A:できません。 どちらもピッチ(Pitch)は同じ5mmですが、ATシリーズは歯根断面積や歯溝の形状が異なります。併用すると噛み合い不良、歯面の激しい摩耗、さらには噛み込み(固着)の原因となります。交換の際は、ベルトとプーリの両方を同じ仕様のATシリーズへ同時に変更する必要があります。
Q2:既存設備のトルクが不足している場合、T5からT10へサイズアップすべきでしょうか?それとも同ピッチのAT5へアップグレードすべきでしょうか?
A:AT5へのアップグレードを優先的におすすめします。 T5からT10に変更した場合、伝達能力は向上しますが、プーリ径や設置スペースが大幅に大きくなり、ピッチが大きくなることで伝達の滑らかさや分解能(位置決め精度)が低下します。一方、AT5にアップグレードすれば、全体的な機構スペースや軸間距離を一切変更することなく、伝達トルクと剛性を直接30%〜50%向上させることができます。設置スペースに制限がある場合の最も効率的な改善策です。
Q3:なぜATシリーズへアップグレードすると繰り返し位置決め精度が効果的に改善されるのですか?
A: Tシリーズはスムーズな噛み合いを確保するために歯溝の隙間(遊び)を比較的大きく設けています。これに対し、ATシリーズは歯面の噛み合い形状を最適化し、逆回転時のバックラッシ(幾何学的隙間)を大幅に減少させています。サーボモーターによる頻繁な正逆運転時においても、応答遅れ(ヒステリシス)を大幅に低減し、安定した精度を維持できます。
*※本記事の内容は特定の事例に基づく情報共有であり、実際の適用効果は業界の特性、仕様要件、使用環境によって異なる場合があります。あらかじめ参考情報としてご利用ください。
これは、高速かつ頻繁な正逆運転機構を設計する際、多くの機械設計エンジニアが直面する課題です。モーターのトルク計算を正確に行い、一般的なT10タイミングプーリを採用したにもかかわらず、急停止や逆転時に歯根のせん断破壊が発生したり、バックラッシ(Backlash)が大きいために位置決め精度が徐々に低下したりすることがあります。この問題の原因はモーターではなく、プーリの「歯形選定」にあるケースがほとんどです。
形状と受力構造の根本的な違い
TシリーズとATシリーズはどちらも台形歯形ですが、その設計思想は大きく異なります。
• T5 / T10(標準台形歯): DIN 7721規格に基づいて設計されています。歯根が比較的薄く、歯深も浅いため、主に軽負荷搬送や一般的なトルク伝達に適しています。頻繁な急停止や高加速度が発生する環境では、薄い歯根に応力が集中しやすく、コマ飛びや歯のせん断断裂を引き起こす原因となります。
• AT5 / AT10(高負荷先進型): 「AT」は「Advanced Technology(高度技術)」を意味します。このタイプのプーリは、歯根の断面積を大幅に増加させ、歯先とプーリ溝の接触面積を広げています。歯根の耐せん断性が飛躍的に向上しており、同ピッチのTシリーズと比較して許容トルクが約30%〜50%向上し、衝撃荷重を効率的に吸収することができます。
1. 歯形設計
T5 / T10 タイミングプーリ:標準台形歯(歯元が薄い)
AT5 / AT10 高負荷用タイミングプーリ:強化型台形歯(歯元を厚肉化)
2. トルク性能・バックラッシ
T5 / T10 タイミングプーリ:標準トルク、バックラッシが大きい
AT5 / AT10 高負荷用タイミングプーリ:高トルク(約30~50%向上)、極めて低バックラッシ
3. 主な用途
T5 / T10 タイミングプーリ:一般搬送装置、一方向駆動機構
AT5 / AT10 高負荷用タイミングプーリ:頻繁な正逆転機構、多軸ロボット、高精度リニアステージ
よくある質問(FAQ)
Q1:もともとT5のプーリを使用していますが、ベルトだけ直接AT5に変更することはできますか?
A:できません。 どちらもピッチ(Pitch)は同じ5mmですが、ATシリーズは歯根断面積や歯溝の形状が異なります。併用すると噛み合い不良、歯面の激しい摩耗、さらには噛み込み(固着)の原因となります。交換の際は、ベルトとプーリの両方を同じ仕様のATシリーズへ同時に変更する必要があります。
Q2:既存設備のトルクが不足している場合、T5からT10へサイズアップすべきでしょうか?それとも同ピッチのAT5へアップグレードすべきでしょうか?
A:AT5へのアップグレードを優先的におすすめします。 T5からT10に変更した場合、伝達能力は向上しますが、プーリ径や設置スペースが大幅に大きくなり、ピッチが大きくなることで伝達の滑らかさや分解能(位置決め精度)が低下します。一方、AT5にアップグレードすれば、全体的な機構スペースや軸間距離を一切変更することなく、伝達トルクと剛性を直接30%〜50%向上させることができます。設置スペースに制限がある場合の最も効率的な改善策です。
Q3:なぜATシリーズへアップグレードすると繰り返し位置決め精度が効果的に改善されるのですか?
A: Tシリーズはスムーズな噛み合いを確保するために歯溝の隙間(遊び)を比較的大きく設けています。これに対し、ATシリーズは歯面の噛み合い形状を最適化し、逆回転時のバックラッシ(幾何学的隙間)を大幅に減少させています。サーボモーターによる頻繁な正逆運転時においても、応答遅れ(ヒステリシス)を大幅に低減し、安定した精度を維持できます。
*※本記事の内容は特定の事例に基づく情報共有であり、実際の適用効果は業界の特性、仕様要件、使用環境によって異なる場合があります。あらかじめ参考情報としてご利用ください。















