インダストリー 4.0 でのデジタル化により、内部物流は常に変化しています。倉庫や生産施設内での商品の追跡など、内部的なトレーサビリティが持つ役割の重要性が高まっています。製造業者も消費者も、商品の安全性と品質を重視するようになってきています。多数の画像が必要となるような苦情はコストがかかり、回避すべきです。オートメーションシステムは、商品管理を最適化しながら、オペレーターの作業が迅速になるよう支援し、時間とコストを節約できます。

内部トレーサビリティ向けシステムをイントラロジスティクスにうまく実装した例として、Schnellecke Logisitcs の事例が挙げられます。ディンゴルフィン (ドイツ) の拠点では、Pose Automation GmbH (クレーヴェ) が開発したスケーラブルな品質保証ソリューションにより、受け入れ時または引き渡し時の商品検査に、写真による総合的な文書化を実施しています。物流ホールで使用される P.Portal は商品の状態を分析して文書化し、IDS の光感度の高い USB3 Vision 産業用カメラを使用します。

■アプリケーション
Schnellecke では P.Portal を使用して、部品を収容したコンテナを検査しています。文書化および苦情発生時用の証明として使用するため、中身を詰めたコンテナの写真を撮影します。これまでは、従業員がデジタルカメラでこのプロセスを手動で行っていました。今では、uEye CP ファミリーの 4 台のカメラが該当するコンテナの写真を撮影しています。トリガーセンサーを利用すると、この処理を精度を維持しながら全自動で繰り返し実行できます。画像データは PC ベースのマルチカメラシステムに表示され、同時に保存されます。カメラはブリッジ状の構造に取り付けられ、この下を文書化するコンテナが通過します。距離センサーによってトリガーされると、これらのコンテナは通過時に 4 方向 (前面／背面／左側／右側) から自動的に写真が撮影されます。

基本的に、カメラの位置は自由に選択でき、この場合はポータルの左右にあります。2本の横方向のエクステンションでポータルを伸長すると、同時にすべての写真を撮影できます。オプションのSmart Lightモジュールを使用すると、画像撮影プロセスでインテリジェントな照明制御が実現し、電力コストの削減に貢献します。

「このシステムは私たちのすべての要件を満たしています」とSchnellecke Logisticsのリーンマネージャー、Anne Hofbauer氏は強調します。「連続使用しても安定しています」画像処理コンポーネントはタスクを完璧にこなします。トラムとワゴンはそれぞれ通過時に高解像度で自動的に写真が撮影されます。注文番号と処理番号が記録され、完全なトレーサビリティが実現します。高速移動でも1msという短い露出時間で完璧な写真が撮影されます。「高感度カメラは、モーションブラーのない画像素材を撮影し、完全なトレーサビリティが保証されます。全体を通じて同じ品質で、コンテナの必要なすべての面が撮影されるからです」とAnne Hofbauer氏は断言します。

Pose Automationの業務執行取締役 Sebastian Pose氏にとって、システムに搭載するカメラの重要な選択基準は、解像度、速度、光感度でした。この標準化されたアプリケーションでは、モデル U3-3890CPが使用されています。このUSB3ビジョンカメラはSchnelleckeに内蔵され、露出時間が非常に短くても完全な結果が要求されるタスク向けに設計されています。Sony STARVISシリーズの高解像度 12.00MPセンサーを搭載しています。このセンサーにはBSI(バックサイドイルミネーション)技術が搭載されているため、卓越した光感度と低ノイズを発揮します。uEye＋カメラは広範なピクセル前処理にも対応し、120MBの内部画像メモリを画像シーケンスのバッファリングに利用できるので、P.Portalなどのマルチカメラシステムに最適です。

「基本的に、トレーサビリティソリューション P.PortalはさまざまなIDSカメラモデルを柔軟に使用できるように設計されています。このため、お客様に多様な経済的なアプリケーションを提供できます。概してIDSカメラは、耐久性があり、特に弊社システムへの統合が容易という特長があります。IDS peak Software Development Kitを使うと統合は簡単になります」とSebastian Pose氏は語ります。

■ソフトウェア
Pose Automationが開発したソフトウェアを利用して、画像はクライアントのシステムに日付と時刻付きでリアルタイムに保存されます。「私たちにとって、ソフトウェア開発およびシステム全体において、写真撮影プロセスの高度なオートメーションが重要でした。さらに、P.Portalにはディープラーニング技術による顔のピクセレーションが搭載され、DGSVOに準拠しています」とSebastian Pose氏は説明します。また、ここで使用されている「Smart Light」グリーンテクノロジーなどでモジュールを拡張できます。スマートライトは、通過経路の均一な照明を自動的にオン／オフします。その他のモジュールとして、「Code Reading」、「Booking Live」、「Smart Recording」がソリューションを補完します。

このシステムの利点は明らかです。
・苦情発生時の明確化：写真素材を使用して、引き渡し時にすでに破損があったかどうかをすばやく容易に判断できます。時間と不要な出費を削減します。
・完全な文書化：P.Portalは引き渡し時に状態を撮影します。物流プロセスはカメラによってシームレスに記録されます。
・製品および注文のトレーサビリティ：オプションで、バーコード、DMCコード、QRコード付きのパッケージラベルを自動的に読み取ってリンクできます。顧客固有の記録システムにも対応します。
・短時間：撮影プロセス全体には時間はかかりません。