東京、2015年2月6日発 –キーサイト・テクノロジー合同会社（職務執行者社長：梅島 正明、本社：東京都八王子市高倉町9番1号）は、PAM-4（4値パルス振幅変調）信号の特性評価を可能にする86100D DCA-X 広帯域オシロスコープの新しい解析ソフトウェアを発表します。Keysight 86100D-9FP PAM-N解析ソフトウェアは、光および電気PAM-4信号の包括的な解析機能を提供します。

インターネットやモバイル通信の飛躍的な発展に伴い、豊富なコンテンツへ即座にアクセスする要求も高まっており、データセンターではネットワーク帯域幅を広げる必要に迫られています。しかし従来のような部品の単純な高速化だけでは、もはやこのニーズに対応できません。PAM-4は、多値変調伝送の一種で、高速デジタル通信リンクで送信できるデータ量を増加させるための技術です。例えば、イーサネットも、PAM-4により100Gbから400Gbへの移行も期待できます。

いくつかの業界団体や標準化団体は、既にPAM-4テクノロジーを採用し、また次世代のスピードクラスへの採用も本格検討しています。これは従来のNRZ（non-return-to-zero）と比べ、より高速のデータレートを限られた伝送路帯域幅であっても送ることができるからです。従来の86100D 解析ソフトウェアのNRZ測定アルゴリズムでは、PAM-4信号の一部しか測定できませんでした。PAM-4信号の特性評価を完全に行うには、PAM-4固有の測定アルゴリズムと測定パラメータが必要になりますが、新しい86100D-9FP解析ソフトウェアはこれらに対応し、パラメータ測定などPAM-4信号の測定／解析も容易に行えます。

当社のオシロスコープ＆プロトコル事業部担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャであるDave Ciprianiは次のように語っています。「NRZからPAM-4への切り替えには、設計だけではなく測定にも多くの新たな課題が発生します。当社の解析ソフトウェアを使用いただければ、こうした課題に速やかに対応し、製品の開発期間を短縮することができます。」

86100D-9FP PAM-N解析ソフトウェアでは、次の測定が可能になります。
　・ アイの幅、アイの高さ、アイのスキュー
　・ 振幅レベル、振幅ノイズ、レベルスキュー
　・ 振幅レベルのリニアリティ

PAM-N解析ソフトウェアオプションを既存のDCA-Xソフトウェアオプションと組み合わせると、さらに以下の解析機能が強化できます。
　・ 86100Dオプション201を使用したPAM-4イコライザー（LFE、CTLE、DFE）
　・ 86100DオプションSIM（InfiniiSim-DCA）を使用したPAM-4に対するチャネルのエンベディング／ディエンベディング
　・ 86100Dオプション200/300を使用したIEEE JP03パターンでのジッタ／振幅解析

多値変調伝送システムはノイズの影響を特に受けやすいため、PAM信号の特性評価には低ノイズの86100D用広帯域プラグインモジュールが最適です。86100Dオプション9FP PAM-N解析ソフトウェアは、86108Bプレシジョン・ウェーブフォーム・アナライザ・モジュール（32 Gbaudまでの電気信号の正確な解析用）、86105D-281（高速光信号の正確な解析用）など、すべての86100D DCA-Xプラグインモジュールが使用可能です。さらに、N1010Aオプション9TP PAM解析ソフトウェアをPCにインストールし使用すれば、保存またはシミュレートされたPAM信号をオフラインで解析することもできます。

キーサイトでは、PAM-4生成／測定機能などの高速デジタル・テスト・ソリューションをDesignCon 2015（Booth 725、Santa Clara Convention Center、1月28～29日）で展示しました。