メンター・グラフィックス・コーポレーション（本社: 米国オレゴン州、以下メンター・グラフィックス）と世界最大手の計測器メーカーであるアジレント・テクノロジーズ・インク（本社米国カリフォルニア州、以下アジレント・テクノロジー）は、米ミシガン州デトロイトで開催されているSAE 2013 World Congress ＆ Exhibition会場において、メンター・グラフィックスのxtUML（実行可能／変換可能UML）環境であるBridgePointを、アジレント・テクノロジーのガス・クロマトグラフィ分析装置であるMicro GCの開発に採用したことを発表しました。BridgePointは、組込みシステム開発のコンセプトから実装までをカバーする高度なUMLベースの環境となっており、アプリケーション移植時の使い勝手の良さ、IPおよび設計の再利用性、製品バリエーションを迅速に実現する開発パスといった重要なメリットを提供します。モデリング作業の改良と移植時間の短縮を実現するBridgePointの導入により、アジレント・テクノロジーは開発サイクルの短縮化に成功しました。

標準的なUMLは、複雑なシステム設計を取り込んで伝達（コミュニケーション）するために利用されています。これに対してxtUMLは、記述したシステムのモデルをモデルのまま実行することにより開発初期段階における早期デバッグを可能にします。そしてxtUMLモデルから実際のターゲット実装言語を自動生成して開発生産性を向上させるUML機能拡張を提供します。BridgePointは、このxtUML機能拡張を活用し、ターゲットコードを一切記述することなくデバッグと検証を可能にするプラットフォーム非依存の実行可能モデルの開発を実現します。モデルのコンパイル作業はオープンで柔軟性に富んでおり、あらゆるターゲット・プラットフォームに対して最適化されたコードを生成します。BridgePointが提供する充実した機能群は、最新のMDD（モデル駆動型開発）メソドロジのスムーズな導入を可能にし、生産性の向上、効率の良い再利用、ハードウェア／ソフトウェアのスムーズな割り当てなどを実現します。エディタ機能を提供するxtUML Editorはオープンソース・プロジェクトとして公開されており、www.xtUML.org/から無料でダウンロード可能となっています。

「BridgePoint xtUMLツールスイートのおかげで、実装作業とは別個にアプリケーションをモデル化できるようになったため、Micro GCを新しいプラットフォームに移植する作業を飛躍的に簡素化できました。また、メンター・グラフィックスがBridgePointのエディタをオープンソースとしてリリースした決断は賞賛に値します。オープンソース・コミュニティによる開発によってBridgePointの普及が進み、ツールのユーザビリティと生産性が向上することを楽しみにしています。xtUML Editorがオープンソース化されたため、xtUMLメソドロジのメリットを理解したいと思っているアジレント・テクノロジーの他の部署でも、とても気軽に試すことができるようになりました。」アジレント・テクノロジーでProject Managerを務めるRobbert Van der Kruk氏は、上記のように述べています。

xtUMLの実行機能により、実装コードをまったく記述することなく、要件妥当性の確認、新機能の検討、システム動作の検証とデバッグが実現できます。xtUMLの変換機能は、対象がハードウェアであってもソフトウェアであっても、高品質で最適化された実装コードを生成し、生産性を大幅に高めます。

「最新のモデリング言語とツールを利用したMDDメソドロジを導入すると、設計効率と再利用率を劇的に向上させるとともに、遅い段階でのリスクを削減することができます。今後もさらに高い機能を目指して設計を発展させるためには、このような努力が欠かせません。アジレント・テクノロジーがメンター・グラフィックスの新技術を導入し、成功を収めたことを知り嬉しく思います。」メンター・グラフィックス、System-Level Engineering Division、Vice President and General Manager、Serge Leefは、上記のように述べています。