SiC駆動用ACDCコンバータ制御ICを開発
本製品は、これまでディスクリート部品の構成で部品点数に課題を抱えていたSiC-MOSFET搭載AC/DCコンバータを容易に実現することが可能です。これにより、省電力化、小型化が求められるAC/DCコンバータ市場に新たな価値を提供し、SiCパワー半導体の普及による社会の省電力化、小型化に貢献します。
また、一般的なSi-MOSFET搭載のAC/DCコンバータと比較した場合では、最大6%電力の高効率化を実現し、放熱用部品を削減するなど劇的な省電力化、小型化が可能です(50Wクラスの電源時)。
一般の産業機器で使用されるAC400Vはもちろんのこと、SiC-MOSFETの特徴がより活きる高電圧AC690Vでも動作可能な保護機能を多数搭載しており、全ての産業機器の信頼性向上にも貢献します。
なお、本製品は8月よりサンプル出荷を開始する予定です。今後は、AC/DCコンバータ制御IC とSiC-MOSFETを1パッケージ化したICの開発も進めており、こちらも業界に先駆けて製品化していく予定です。
<背景>
近年、あらゆる分野で省エネへの意識が高まっており、高電圧を扱う産業機器系のアプリケーションにおいても省エネを実現し、高電圧に対応可能なパワー半導体や電源ICの採用が進んでいます。中でも既存のSiパワー半導体と比較して、さらなる高電圧対応、小型化、省電力化の実現が可能なSiCパワー半導体に期待が高まっています。
一方で、AC/DCコンバータにおいては、採用されるべきSiC-MOSFETの性能を十分に引き出す制御IC が存在せず、高電圧で電力インフラが不安定な地域での使用や、小型化や省電力化に大きな課題を抱えていました。
ロームは、これらの課題に対し、新たに最先端のSiCパワー半導体の性能を最大限に引き出すAC/DCコンバータ制御IC を開発しました。
