ロームが、業務用ラベル・パッケージング市場に向け1300mm/s 対応、業界最高水準の超高速サーマルプリントヘッドSH3002-DC80A を開発
このサーマルヘッドは、高画質高信頼性で好評なローム独自の薄膜構造である、ステップフリー構造に加え、発熱体部や蓄熱グレーズ形状の専用化及び熱履歴を高速で行う新しいドライバIC を採用することで、1300mm/s の超高速でも安定して高い画質が得られます。
物流や食品関係で使用される業務用ラベル・パッケージングプリンタは製造ラインに組み入れて使用される為、24 時間稼動が常用となります。そのため、超高速処理に加え、高耐久であることが強く要求されます。
一般的に高速仕様には大口径プラテンへの対応や、熱時剥離リボンの使用が必須であり、その要求を満たすためには発熱体をグレーズ傾斜部に形成するニアエッジ構造が有利となります。しかし、従来の薄膜技術では、高速仕様に有利な薄いグレーズを使用したとき、電極段差により接触効率が落ちるため、鮮明な印字がでない問題があり、接触角度の制限が厳しいニアエッジ構造の採用は困難とされていました。
今回開発した「SH3002-DC80A」は、独自のステップフリー構造の特徴を生かし、電極部の段差をなくすことで有効印字角度を広く保つことができるため、ニアエッジ構造で超高速高画質を可能としました。
また、ドライバIC については、過去の印字状態を監視し、現在印字するドットのエネルギーをコントロールする熱履歴制御機能と、次の印字状態を監視し、ドットを事前に加熱することで書き始めから高印字品位を確保するプリヒート機能を備えています。この制御方式は従来の熱履歴制御方式と異なり、ストローブ信号の組合せで各々のドットエネルギーを決定するため、内部遅延無く高速データ処理が可能です。
これらの技術により、記録メディアや使用環境に合わせて、1300mm/s の超高速領域の印字まで可能となり、すべての印字領域において高印字品位を実現します。本商品の詳細およびお問い合わせはロームのウェブサイトをご訪問ください。
1. 「SH3002-DC80A」の主な特長
1) 発熱体構造の専用化と高速熱履歴制御機能の搭載により、1300mm/s の超高速印字領域において安定した高印字品位。
2) ニアエッジタイプであるため、大口径プラテンを使用でき、熱時剥離型メディアに対応可能。
3) 感熱・熱転写の両印字方式に対応。
4) 低摩擦導電保護膜の採用により、磨耗や静電気に強く、高耐久を実現。
