920MHzの特定小電力無線を搭載した「FutureNet MA-E360/N、SA-200シリーズ」を発売
FutureNet SA-200シリーズとFutureNet MA-E360/Nは、各種センサとIPネットワークをワイヤレスで接続するために920MHz帯の特定小電力無線を利用します。920MHz帯の無線は2.4GHz帯の無線に比べ、通信距離が長い、回折性が高い、消費電力が小さいといった特徴があります。また、400MHz帯の無線と比べて高い通信速度を実現できます。また、920MHz帯は2.4GHz帯や400MHz帯と異なり、電波法に基づく通信帯域の利用規制により(*1)、特定の機器が無線帯域を占有できないしくみが実現されています。そのため、対象エリア内に多数のセンサを設置しても安定した通信が可能です。
無線通信の環境は、センサ側で利用する無線子機と、そのデータを受ける側で利用する無線親機の組み合わせで構成します。通信は無線子機と無線親機の間で双方向でおこないます。FutureNet SA-200シリーズは無線子機の機能とセンサ/デバイスを組み込む、もしくは接続する機能を備えます。FutureNet MA-E360/Nは、無線親機として複数の無線子機のデータを受け取り、それをIPネットワークに送り出すゲートウェイ機能を備えます。
いずれも屋外で利用できるように耐環境性、省電力性を備えています。さらに、今後リリース予定の、FutureNet SA-200シリーズの防水/防塵ケース付モデルでは、直接屋外に設置して利用できます。
≪FutureNet SA-200シリーズの特徴≫
■ 920MHz帯の特定小電力無線を利用
FutureNet SA-200シリーズが搭載する920MHz帯の特定小電力無線通信モジュールは次の特徴を備えます。
・通信距離1Km(見通し、最大)
・通信速度100kbps
・最大送信出力20mW
・消費電力送信時 31mA、受信時 18.0mA、待機時 1.0μA
920MHz帯は2012年に新しく開放された周波数帯で、送信出力20mW以内は免許を必要とせず利用できます。2.4GHz帯より優れた電波到達性を持ち、429MHz帯より高スループットです。無線LAN等で使用している2.4GHz帯の電波との干渉もないため、安定した通信が可能です。また、920MHz帯の電波利用規制は小容量のデータを間欠的にやりとりするデータ収集システムの安定運用に有効です。
■ 通信、電源のワイヤレス化を実現
FutureNet SA-200シリーズは外部電源入力または内蔵バッテリ(対応モデル)で動作します。内蔵バッテリ搭載モデルはセンサに対しても電源供給が可能です。センサ用電源はSA-200本体の動作状態に応じてON/OFFの制御がおこなえます。インターバルモードでは一定の時間間隔でセンサのデータを取得します。センシングをおこなわない間はスリープ状態となり、ほとんど電力を消費しません。センシングをおこなうときにセンサの電源を入れ、データを取得、送信した後、再びスリープ状態になることによりSA-200本体だけでなくセンサまで含めた省電力化、ワイヤレス化が実現できます。
動作温度も-20℃~60℃の温度範囲を保証し、無人環境や屋外での利用に対応します。
■ 幅広いラインナップ
FutureNet SA-200シリーズでは外部インタフェースでセンサを接続するセンサ接続型モデルとセンサを内蔵するセンサノードモデル、組み込み用に基板のみのボードモデルをラインナップします。
今回はRS-232インタフェースを搭載した基板タイプのモデルFutureNetSA-200B/R、RS-485インタフェースを搭載しModbusに対応した基板タイプのモデルFutureNetSA-200B/Mの2モデルを提供します。
今後、防水筐体にバッテリを内蔵したセンサ接続型モデルやセンサノードモデルの提供を予定しています。
≪FutureNet MA-E360/Nの特徴≫
■ ゲートウェイ装置としての用途にとどまらない基本性能
FutureNet MA-E360/NはCPUにARMコア(ARMv7)の最新の高性能プロセッサSitara AM3352(テキサスインスツルメンツ社製)を採用したLinuxプラットフォームです。メモリは標準で512MB搭載し、最大で1GBまで拡張可能です。2つのギガビットイーサネットインタフェースに加え、RS-232、USB、SDカードスロットを備えています。ゲートウェイ装置としての機能に加え、データの加工や判定、独自の通信手順の実装、外部装置との連携などもおこなえます。
動作温度は無人の環境や屋外での利用を想定し、-20℃~60℃の温度範囲を保証しています。また、使用しないときにスリープ状態になる省電力動作モードを備えており、商用電源が利用できない場所でも最小限の電源設備で運用できます。
■ 920MHz帯の特定小電力無線とFOMA通信の両方に対応
FutureNet MA-E360/Nはセンサからのデータを収集するためにFutureNet SA-200シリーズと同じ920MHz帯の特定小電力無線の通信モジュールを搭載します。こちらは無線通信の親機としての機能を持ち、複数の子機(センサ)からデータを受信できます。
FutureNet MA-E360/NはワイヤレスでWAN接続をおこなうためにFOMAハイスピード対応の通信モジュールを内蔵しています。通信モジュールは受信時最大7.2Mbps/送信時最大5.7Mbps(*1)の通信速度に対応します。データの送受信に加え、ネットワークカメラの動画閲覧やSMSによる状態監視、遠隔操作が可能です。
内蔵型の通信モジュールは運用中に外れる心配がないほか、外部アンテナを利用するため、別の装置に組み込んでも安定した通信状態を保ちやすいメリットがあります。さらに、USBタイプのアダプタと比べて対応温度範囲が広いため温度条件が厳しい環境にも対応できます。
FOMAの回線サービスは本体のSIMカードスロットに、NTTドコモやMVNOから提供されるSIMカードを挿入することで利用できます。
■ クラウド対応
FutureNet MA-E360/NはOSにUbuntu ディストリビューションのサブセット(Kernel 3.14以降)をプリインストールしています。apt-getコマンドにも対応しており、オープンソースのLinux アプリケーションやクラウド接続用エージェントソフト等を簡単にインストールできます。また、最新の「Java SE Embedded 8」(ARM版フルJRE)を標準で搭載し、Javaアプリケーションも容易に移植・実行できるためクラウドサービスの選択肢が広がります。
■ 開発の容易さ、開発工数の短縮
FutureNet MA-E360/Nは通常モードで起動した後、システム設定の変更、パッケージの追加、独自アプリケーションの追加・設定のカスタマイズなどを行ったそのままの状態を、コマンド1つでファームウェアとして作成できます。この方法により、動作確認とファームウェアの開発を確実に進めることができます。
開発環境は、セルフ開発環境に加え、Windows でLinux のクロス開発環境を作るのに必要なソフトウェアをインストールしたVirtualBOX 用OSイメージをSDKとして提供します。SDKは最新のカーネルにも追従し、開発者向けの専用サイト(http://ma-tech.centurysys.jp/)のGitリポジトリで随時最新版を公開します。これらの開発環境を使って、MA-E360/Nで動作するLinuxアプリケーションの開発や、独自の起動用SDカード、USBメモリ(ファイルシステム)の作成、独自ファームウェアの作成が可能です(*2)。
また、フラッシュメモリで2つのファームウェアを切り替えて使う機構を備えています。例えば1面側に運用中のカーネルとファイルシステムを搭載、2面側にその更新版を搭載しておき、更新版での試験運用の際に問題が発生したら1面の従来版に戻して運用を継続する、などの使い方ができます。
*1: 通信速度は技術規格上の最大値であり、実際の通信速度を示すものではありません。ベストエフォート方式の回線サービスの場合、実際の通信速度は、通信環境やネットワークの混雑状況に応じて変化します。
*2: 本製品で利用できるすべてのソフトウェアがクロス開発環境でビルドできることを保証するものではありません。


















