IoTゲートウェイ「FutureNet MA-E300シリーズ」でAWS IoTに対応
IoT システムの拡がりに伴い、IoT ゲートウェイ装置にも機器単体としての機能拡充にとどまらず、システムを構成する様々な要素と切れ目なく連携することが求められています。弊社のLinux プラットフォーム製品 FutureNet MA-E300 シリーズは、様々なデバイスと接続できるよう幅広いインタフェースを搭載しているのが特徴です。耐環境性にも優れていることから、とくに屋外での監視、観測、制御用のIoT ゲートウェイ装置として多くの導入実績があります。
一方、IoT ゲートウェイ装置からクラウド方向への接続については簡単なデータ収集にとどまらず、クラウドが備える様々な機能を活用できるような双方向の連携を求められるケースが増えつつあります。今回FutureNet MA-E300 シリーズではそのようなニーズに対応する最初の取り組みとして、AWS がIoT 用途向けに提供している AWS IoT との連携機能を標準搭載したファームウェアの提供を開始致します。
AWS IoT はクラウドでセンサのデータを収集、監視するだけでなく、クラウドからデバイスを制御するしくみも備えているのが特徴です。FutureNet MA-E300 シリーズはこのAWS IoT が備える機能をフルに活用するためのソフトウェアを搭載します。これにより、AWS IoT の特性を生かした強力なIoT アプリケーションを簡単に構築できます。さらにAWS が提供するAWS Lambda、Amazon Kinesis、ElasticSearch/Kibana、Amazon Relational Database Service (Amazon RDS)、Amazon DynamoDB、Amazon Simple StorageService (Amazon S3)といった関連サービスとの組み合わせについてもシステムとして提供できる体制を準備しています。
FutureNetMA-E300 シリーズの「MA-E3xx for IoT」ファームウェアは様々なクラウドサービスに柔軟に対応できるようOSS のfluentd(*2)を標準搭載しています。今回、fluentd のプラグインソフトウェアとしてAWS IoT用のプラグインを追加で搭載します。また、センサ・デバイス側についてはデータ取得、制御については従来通りのAPI の提供に加え、サンプルアプリケーションを追加します。この「MA-E3xx for IoT」ファームウェアは10 月17 日より弊社のマイクロサーバ開発者用サイトから無償ダウンロード提供を開始します。
■「MA-E3xx for IoT」ファームウェアを利用したIoT システムの構成例
FutureNet MA-E300 シリーズとAWS の各種サービスを組み合わせて、監視/制御を含む強力なIoT アプリケーションを効率よく構築できます。
■IoT ゲートウェイ装置としてのFutureNet MA-E300 シリーズ
FutureNet MA-E300 シリーズはIoT ゲートウェイ装置としてクラウド通信機能とセンサ・デバイスとのインタフェース機能を1 台で実現します。
■IoT システムの実現例:PM2.5 の計測システム
PM2.5 の測定器の情報をFutureNet MA-E350/NL を介して定期的にクラウドへ送信するIoT システムの事例です。クラウド側では学校や病院などの公共施設の利用者向けにPM2.5 の状況を配信します。
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AWS IoT は、接続されたデバイスが簡単かつ安全にクラウドアプリケーションやその他のデバイスとやり取りできるマネージド型クラウドプラットフォームです。AWS IoT では数十億のデバイスと数兆のメッセージをサポートし、それらのメッセージをAWS エンドポイントおよび他のデバイスに確実かつ安全に処理しルーティングします。AWS IoT によってアプリケーションはそれらが接続されていない場合でも、全てのデバイスを常に追跡し通信することができます。
AWS IoT を使用すると、AWS Lambda、Amazon Kinesis、Amazon S3、Amazon Machine Learning、AmazonDynamoDB、Amazon CloudWatch、AWS CloudTrail、および Amazon Elasticsearch Service (組み込みのKibana と統合されている) といった AWS の各種サービスを簡単に使用できます。インフラストラクチャを管理せずに、接続されたデバイスが生成したデータを収集、処理、分析、実行する IoT アプリケーションを構築できます。
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fluentd は米Treasure Data 社が中心となって開発したオープンソースのデータ収集管理ツールです。ログやセンサデータなどの情報を収集し、JSON 形式に変換して転送する機能を持ちます。「スキーマレス」「プラグイン機構」「バッファリング機構」などの特徴があります。fluentd ではインプット/アウトプット部分はモジュール化されているため、転送するデータの入力元や出力先を柔軟に入れ替えることができます。AWS IoT との通信部分はfluentd のアウトプットプラグインとして実装しています。
