低消費電力、静音化を同時に実現。 外付け部品点数を削減したノートPC 用新方式ファンモータドライバを開発
昨今のノートPC では、従来使われていた単相ファンモータに代わり、最適な電力配分で低速から高速まで安定した回転特性で静音化・低振動化、低消費電力化が実現できる三相ファンモータの採用が増加しています。ロームが今回開発した『BH6713NUV 』は、独自の回路設計とBi-CMOS プロセスの活用より、今まで、三相ファンモータドライバIC に必要とされていた昇圧回路用などの外付部品(コンデンサ4 個)を不要にしました。さらに、超小型VSON010V3030(3.0mm´3.0mm Max.1.0mm ) パッケージの採用と併せて、ファンモータ部の実装面積の削減とピン数の削減により、業界最小の省スペース化を実現しました。
また、性能面においては、ローム独自のPWM 制御新通電方式を採用し、主流であるソフトスイッチング駆動方式に比べ、モータ回転時のノイズ(騒音)を抑え、更なる静音化・低振動化を実現しました。この方式は、PWM 制御によるダイレクト駆動とすることによる低消費電力化の実現に加えて、出力電流波形をSIN 波形に近づけることにより、極めて滑らかでスムーズなモータ回転を可能にしたものです。
さらに、センサレス駆動タイプながら新起動シーケンスを採用することで、センサ内蔵型と同等のスムーズで安定したモータ起動ができるようになりました。また、出力段トランジスタにBiCMOS プロセスを採用することにより、従来品を大きく上回る業界トップの低オン抵抗MOS FET(1W;上下Tr )を達成しました。これにより、単相全波駆動のファンモータドライバに比べ約40 %の低消費電力化を実現すると共に、今までの三相センサレスモータドライバとの比較においても業界トップレベルの低消費電力、静音、小型化を実現しました。さらに、新しく開発したスタンバイ回路を内蔵し、業界トップクラスの待機時
消費電流50mA も実現しました。
〈『BH6713NUV 』の主な特長〉
1)PWM による可変速度制御可能
2)ホール素子不要のセンサレス駆動
3)PWM 制御新通電駆動による低消費電力化、静音化、低振動化を実現
4)スムーズで安定した起動を実現する新起動シーケンス採用
5)低オン抵抗を実現するBiCMOS プロセス採用
6)モータロック保護、熱保護回路内蔵
7)VSON010V3030 パッケージ(3.0mm´3.0mm Max.1.0mm)
ロームは、モータドライバIC の世界的なリーディングカンパニーであり、PC 用ファンモータドライバについても、単相、二相、三相の各方式の充実したラインナップを取り揃えており、ノートPC ディスクトップPC など幅広いお客様のニーズに対応して高い評価を得ています。ノートPC については、より小型化、薄型化、低消費電力化が進むことも相まって市場は拡大する傾向にあり、今回の新製品は、こうした市場のニーズを先取りしたものです。



















