白物家電、健康機器、ゲーム機器などにネットワーク機能を簡単にアドオン可能な「IEEE802.11n」対応1チップベースバンド LSIを開発
昨今、無線 LANは「IEEE802.11」規格がグローバルスタンダードとして普及しており、LAN上で扱うデータ量の増大や接続されるネットワーク機器の増加に合わせて順次高速化し、また 2007年 2月にハイビジョン映像などのデータ伝送も可能な 600Mbpsを実現した「IEEE802.11n」規格がスタートし、ネットワークテレビやその他のネットワーク家電を無線ルータで接続するホームネットワークの普及が始まっています。
さらに産業機器向けロボットや自動生産ラインへの応用や、携帯通信機器をベースにした小規模 LANなど、その応用範囲は拡がりつつあります。
無線 LANシステムを構成するには、通常 TCP/IPプロトコルスタックや WPS、WPAを実装する必要がありますが、従来製品ではベースバンドLSIにすべてを搭載したものがなく、ホスト側の CPUで処理したり、無線LANモジュール内にアプリケーションマイコンを搭載するなどの必要があり、こうした場合セットのホスト CPUの大幅な見直しや、その電源の見直し、メモリの増設などといったシステム全体の設計変更の必要が出てくる場合があり、設計負荷の増大やコストアップの要因となっていました。
また、TCP/IPプロトコルスタック、WPA、WPS機能を自社開発するには多くのノウハウが必要であり、外部から導入する場合はライセンスコストがかかるなど、家電製品にネットワーク機能を組み込むための大きな障害となっていました。
ロームではこうした状況に着目し、従来から蓄積してきた高速無線 LAN規格に関する技術を駆使して、セットメーカのシステム設計に対する負担を最小限にするように一連の機能を 1チップに内蔵しました。またこのLSIを使って無線 LAN機能を搭載する際は、ロームの技術陣が機能の組み込みから動作確認までフルサポートするため、「IEEE 802.11n」ネットワーク組み込み経験がないお客様にも安心してご採用いただける体制となっています。さらにお客様側で組み込みをされる場合には評価ボード及びデバイスドライバもご用意しております。
ロームでは、従来から「IEEE 802.11」規格に対応したベースバンド LSIから RF部をも含めた無線 LANモジュールの開発など、幅広い製品ラインアップを取り揃えています。今後も、高価な測定環境、回路、基板設計の高度なノウハウがなくても開発できるモジュールなどセットメーカーの開発負担を大幅に低減する使いやすい無線 LAN用 LSIの開発に取り組み、セットの進化に貢献してまいりたいと考えています。



















