ロームが LCDテレビ向け LEDドライバ LSI「BD92□□シリーズ」直下型/エッジライト型、高機能/普及タイプ型用途向けにラインアップ充実
昨今、LCDパネルのバックライトの光源は、従来主流であった CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp:冷陰極光ランプ)の光源から、低消費電力や長寿命、また有害物質を含んでいないといった特長を有することから、急速に LEDへと代わってきています。LED光源を LCDパネルのバックライトとして使うためにはバックライトドライバ LSIが必要ですが、急速な市場の拡大とアプリケーションの変化により、多様な用途に対して製品の品揃えはまだまだ不十分といえます。ロームでは、既に携帯電話用や、各種モバイル機器向けなど、中小型のLCDパネル用バックライトドライバや、様々な電子機器で使われるイルミネーション向け LEDドライバでは、幅広い製品ラインアップを有しており、高効率、低消費電力などのニーズに対して幅広いソリューションを提供しながら蓄積してきた回路技術、システムノウハウを駆使して LCDテレビ用バックライト LEDのドライバ ICのラインアップを強化してきました。
TV向け LEDバックライトの方式には、現在 LCDパネル下の基板に LEDを敷き詰めた直下方式、パネルエッジ(額縁部)に LEDを配置したエッジライト方式の2タイプがあります。今回取り揃えた LEDドライバシリーズは、これら2つの方式に対応したもので、それぞれの方式でシンプルなタイプからローカルデミングに対応した高機能なタイプまでを、LEDチャンネル数、LED段数、定電流回路の有無、調光方式、タイミングコントローラとのインターフェースの違いで業界トップクラスの 14機種取り揃えたものです。これによりパネルメーカ各社各様の設計仕様に合った LEDドライバが選べるとともに、設計途中での急な仕様変更にも柔軟に対応できるラインアップとなっております。
またロームは低消費電力化、薄型パネルの実現で大きなアドバンテージを持ち、LEDバックライトの方式で主流になりつつあるエッジライト方式で、LEDドライバでの損失を抑え低消費電力化を実現する技術の基本特許を日本、中国、米国、欧州にて取得しております。この基本特許は、LEDのばらつきによって生じる LED各チャンネル間のアノード電圧(上側電圧)を自動判別して最も高い電圧に合わせて DC/DCコンバータ出力を決定するもので、従来の抵抗値で設定する方式と比較して、損失を極限にまで抑えることができ、効率や発熱面で業界最高水準の特性を実現しました。加えて PWM調光時に電流波形を滑らかにしコイルによる音鳴りを防止する特許や定電流回路のオフセットをキャンセルすることで LED電流の精度を全調整範囲において±1.5%にまで抑えた特許なども申請中です。これらの技術特許や中小型パネルで培った回路技術、そしてCCFLバックライト制御で培ったシステムノウハウを TV向け LCDバックライト用 LEDドライバに盛り込み、低消費電力でより付加価値の高い LEDドライバの開発を行ってまいります。