業界最高レベルの高音質実現 カーオーディオ用サウンドプロセッサLSI
カーオーディオ機器は、長年の高音質化の流れにより音質は家庭用高級オーディオに匹敵するレベルに達し、音量については家庭との再生環境の違いにより大音量化が進んでいます。そして大音量で音楽を楽しむ場合や、ウーハなどで重低音域の多い音楽ソースを楽しむ場合にボリウムやトーンの切り替え時のショック音がどうしても聞こえてしまうことが問題となっていました。今回ロームは、このショック音低減に独自の新開発ショック音防止技術『アドバンスト・スイッチング』回路を開発し、大幅なショック音低減を実現しました。この『アドバンスト・スイッチング』回路は入力信号レベル、ゲイン変更値から最適なゲイン切り替えステップ数を自動で算出し、より滑らかなエンベロープ波形を実現できます。そのため無音時はもとより20Hzの重低音信号入力時、2Vrmsの大信号入力時にも切り替えショック音はほとんど発生しなくなりました。
またこの『アドバンスト・スイッチング』回路のもう1つの特長は、多機能化がすすみ年々CPUの負担が大きくなることに対してCPUの負担増なしにシステムの実現が可能な点です。従来のソフト切り替え方式では、ゲインの変更が完了するまでCPUから随時、ゲイン設定値をタイミングよくサウンドプロセッサLSIへ送信する必要がありました。このため開発時のソフトウェア開発も大きな負荷となっていました。 ロームの『アドバンスト・スイッチング』回路では、レジスタ回路を内蔵しているためゲイン変更値を1度送信するだけで最適なゲイン変更処理を全て自動で行うことができます。このためCPUへの負荷増大もなく、またソフトウェアの開発も容易に完了します。
その他『BD3484FS』、『BD3489FS』は、レベルメータ表示出力やスペアナ表示出力といった異なる機能、チャンネル数をもつロームサウンドプロセッサLSIシリーズと端子配置とレジスタマップを共通にして開発しました。機能でセットにランクをつける場合や仕向地別にセットの機能を変更する場合でも、入力セレクタや入力ゲイン、ボリウムゲインなどのベースプログラムを共通化できるため、CPUソフトウェアの大部分がそのまま使用できます。このためプログラム開発を短期間に効率よく行えることに加え基板の共通化も実現できます。今回開発の『BD3484FS』、『BD3489FS』は、長年オーディオLSIの開発で培ったノウハウで歪率0.007%、出力雑音電圧10.5 Vrmsの最高レベルの音質も達成しており、『アドバンスト・スイッチング』技術よる高品位なゲイン切り替えと合わせて、最高レベルのカーオーディオ環境の実現に貢献します。
【BD3484FS,BD3489FSの主な特長】
1)アドバンストスイッチ技術により、音量・音質のゲイン減衰量の切り替えノイズ(ショック音)を大幅に軽減。
2)I2C BUSのレジスタマップを従来のロームサウンドプロセッサLSIとの間で統一しており、CPUソフトウェアの大部分を 共通化できるためセット展開も容易。
3)従来のロームサウンドプロセッサLSIとの間で端子配置を統一しており、セット基板の共通化が可能。
4)イコライザ用フィルタ、サブウーハ用LPFを内蔵することで外付け部品を大幅削減。
5)サブウーハ接続対応で豊かな音空間を演出
6)車内空間にあわせた聴感補正に最適なラウドネス周波数の調整が可能(BD3484FS)
7)BBE ICやDSPを用いた音質補正などで付加価値をつけたい場合に有効な外部入出力端子を装備(BD3489FS)
