ZigBeeとFOMA通信モジュールを内蔵したワイヤレスM2Mプラットフォーム「FutureNet MA-E250/FZ」を開発
FutureNet MA-E250/FZは同シリーズの新機種で、近距離無線通信用としてZigBee通信モジュールを搭載します。また、モバイル通信用としてFOMAユビキタスモジュール「UM01-HW」を搭載します。ZigBeeとFOMAの両方の通信機能を同時にサポートすることによって、近距離無線通信を利用したワイヤレス環境で収集したセンサデータを、モバイル通信を介して遠隔地のサーバやクラウドに送る機能を1台で実現できます。
FutureNet MA-E250/FZが内蔵するZigBee通信モジュールは標準ではコーディネータの構成です。エンドデバイスには市販のZigBeeエンドデバイスの他、各種のセンサインタフェースを搭載した弊社のZigBeeエンドデバイスであるFutureNet SA-120/Zが利用できます。
FutureNet SA-120/Zは32bitマイコンとリアルタイムOSを搭載したZigBeeの子機側デバイスです。様々なセンサに対応できるように豊富なインタフェースに対応しています。SA-120/Zも同じZigBee通信モジュールを搭載しています。センサを設置する拠点で必要となるデータ取得、データ保存、通信制御の機能を1台で実現できます。ソフトウェアはユーザが独自のアプリケーションを開発・導入できるように開発キットを提供します。
≪ FutureNet MA-E250/F(Rev.2)、MA-E250/FZの特徴 ≫
■ZigBee通信モジュールを内蔵
ZigBee用の通信モジュールを内蔵しています。ZigBeeは近距離無線の国際標準規格で、ワイヤレスのセンサネットワークで広く利用されています。ワイヤレスで最大1.5Kmの距離で、250kbpsのデータ通信を行えます。MA-E250/FZ ではZigBeeの通信はAPIで制御できます。FOMA通信も同時に行えるため、近距離無線通信とモバイル通信のゲートウェイ装置として利用できます。
■モバイル通信で安定したLAN間接続を実現
FOMA通信エリア内であれば回線工事などをすることなく簡単に遠隔監視を始められます。MA-E250/FZは受信時最大384kbps/送信時最大64kbpsの通信性能を備えます。内蔵モジュールには外部アンテナを接続できるため、別装置の中に組み込んでも安定した通信が可能です。また、USBなどの外部コネクタに接続するタイプのように運用中に離脱する心配がありません。対応温度範囲も広く屋外設置に対応できます。これによりワイヤレスで安定したLAN間接続を実現できます。
■ビジネスmoperaアクセスプレミアムに対応
NTTドコモが提供する閉域網サービス「ビジネスmoperaアクセスプレミアム」に対応しています。IP着信機能にも対応しているため、センター側からIPアドレスを指定して拠点側のMA-E250/FZに接続できます。センターが主体となってMA-E250/FZに接続された機器や配下のネットワーク装置のデータを収集したり、監視、制御が行えます。
■強力なネットワーク機能
PPPやPPPoE接続機能、経路制御、NAT/NAPT、パケットフィルタ、SSHによる暗号化などLinuxの優れたネットワーク機能を利用できます。通信モジュール以外にもイーサネットによる有線のネットワーク接続、USBによる3Gのモバイルデータ通信、シリアルポートを利用したモデム接続が可能です。イーサネットとモバイルデータ通信を組み合わせてリモートルータとして利用することも可能です。また、サーバアプリケーションと組み合わせることで、特定用途向けの専用サーバ兼リモートルータを短期間で実現できます。
■多様なインタフェース
2つのシリアルポートを備え、標準はRS-232で、実装オプションでRS-485にも変更できます。USB 2.0ポートにはUSBメモリやハードディスク、シリアル変換器、データ通信端末などを接続でき、USBメモリからの起動も可能です。USB 2.0は外部接続用のコネクタを2ポート、組み込み接続用の内部コネクタを2ポート備えます。SDカードスロットはSDメモリカードに対応しています。プログラムやデータの保存、SDメモリカード上に構成したファイルシステムからの起動が可能です。その他、スピーカ接続用のライン出力端子やマイク入力が利用できます。
さらに拡張ボードによりアナログ入力やデジタルIO等のインタフェースにも対応できます。
■低消費電力、高性能、高信頼性、耐環境性
省電力CPUや電源回路の最適化により、待機時 約2.8W、最大でも約6.3Wという低消費電力を実現しています。無人の環境や屋外での利用を想定し、ファンなどの可動部品を使用しないことで高信頼性を確保し、24時間365日の常時稼働と−20〜60℃での動作保証を実現しています。
■開発の容易さ、開発工数の短縮
MA-E200シリーズのOSにはLinux を採用しており、プリインストールの状態でLinuxを起動し各種アプリケーションを実行できます。ユーザが自分で当製品のソフトウェアをカスタマイズできるようにソフトウェア開発キットを提供します。SDKでは、セルフコンパイルに必要なソフトウェアをネットワーク上の他のLinuxパソコンから提供するためのNFSルート開発環境と、WindowsでLinuxのクロス開発環境を作るのに必要なソフトウェアをインストールした状態のVMware用OSイメージを提供します。
この開発環境を使って、FutureNet MA-E200シリーズで動作するLinuxアプリケーションの開発や独自の起動用USB/SDメモリカードの作成、独自ファームウェアの作成が可能です。
