キャステムではノイズキャンセラのアルゴリズム開発に取り組んでおり、対象はTI C54x、XScale、StrongARM、Win32など。ノイズキャンセラとは、環境騒音などのノイズを含んだ音声信号からノイズ成分だけを取り除き、聞き易い音声を抽出する技術である。マイクロホンで音声を収録するとき、目的の音声以外にエアコンや車のエンジンなどの環境騒音も同時に拾ってしまうが、一般的に環境騒音などのノイズは大きさが定常的で、多くの周波数成分を含んでいる。一方、音声信号は大きさが常に変動しており、あまり多くの周波数成分を含んでいない。ノイズキャンセラは、この2つの信号の統計的性質の違いを利用し、ノイズ成分を推定して少しずつ取り除き、最終的に目的の音声だけを残すように処理するものである。主な用途は、
(1)音声認識システムの認識率向上
(2)ICレコーダなどの録音機器
(3)携帯電話やIP電話などの通話端末
(4)補聴器や助聴器