ラマンアプリケーション特集
■ラマン分光
ラマンアプリケーションについて レニショーは、エンドユーザー向けおよびOEM製品として、顕微ラマン装置、小型プロセスモニター用分光装置、走査型電子顕微鏡用分子・化学構造アナライザ、半導体レーザー、そして最先端冷却CCD検出器等広範囲の分光関連製品を製造しています。
基本となる製品は、inVia顕微ラマン装置およびRAシリーズ、ラマン・アナライザーです。これらはラマン効果を活用し、非接触、非破 壊にて材料の化学的また構造的性質を分析します。ラマン効果はレーザー光が材料に照射されたとき出現します。光は散乱され、その中のほんの極一部の散乱は、材料原子の振動により振動周波数にシフトが現れます。 その光の周波数シフト(スペクトル)の分析は、原子の特徴的な振動を明らかにし、これにより材料の化学的組成、構造を明白にすることが可能です。 1ミクロン以下の微粒子の個別識別も可能です。
ラマン分光は、世界中の顕微測定や分析装置に携わる、研究所、開発研究部門、製造ライン等、多岐に渡る広い分野に応用されています。たとえば、コンピュータのハードディスク、製薬関係、高分子、半導体、化学関連会社等が挙げられます。少し変わった応用分野として、保安警察分野における麻薬、爆発物の識別、また、歴史的絵画の正確な修復のための絵具、顔料の分析等にも応用されています。
宝石学者もまた宝石の識別、そして宝石に含有される微小鉱物内包物の分析による産地の判別に顕微ラマン装置を活用しています。最近、宝石学会では低品質ダイヤモンドに対する新しい熱処理法について数多く議論がなされています。この処理により、低品質ダイヤモンドの外見上の改質が可能です。 幸運にも、レニショー顕微ラマン装置によりこの処理が行われたダイヤモンドに対しても、残された本来の品質を判別し素性を明らかにすることが可能です。
そしてまた、さまざまな医学的用途へも研究が進められています。最も注目される研究のひとつは、癌と初期癌細 胞の識別です。近い将来、小型光ファイバープローブと自動顕微鏡システムを用い、人体組織からスペクトルを取得し、これにより外来診療においての潜在する癌の早期診断が可能になることが期待されます。
装置の新機能開発はとどまるところを知りません。種々のレーザーによる測定、光学フィルタシステムの改善、数多くのアクセサリー、自動機能の拡張、また、ソフトウエアーの改良による装置の操作性はより一層向上しています。レニショーのラマン分光における新技術開発と共に、応用用途の範囲も確実に広がるものと確信します。詳細はお問い合わせください。
ラマンアプリケーションについて レニショーは、エンドユーザー向けおよびOEM製品として、顕微ラマン装置、小型プロセスモニター用分光装置、走査型電子顕微鏡用分子・化学構造アナライザ、半導体レーザー、そして最先端冷却CCD検出器等広範囲の分光関連製品を製造しています。
基本となる製品は、inVia顕微ラマン装置およびRAシリーズ、ラマン・アナライザーです。これらはラマン効果を活用し、非接触、非破 壊にて材料の化学的また構造的性質を分析します。ラマン効果はレーザー光が材料に照射されたとき出現します。光は散乱され、その中のほんの極一部の散乱は、材料原子の振動により振動周波数にシフトが現れます。 その光の周波数シフト(スペクトル)の分析は、原子の特徴的な振動を明らかにし、これにより材料の化学的組成、構造を明白にすることが可能です。 1ミクロン以下の微粒子の個別識別も可能です。
ラマン分光は、世界中の顕微測定や分析装置に携わる、研究所、開発研究部門、製造ライン等、多岐に渡る広い分野に応用されています。たとえば、コンピュータのハードディスク、製薬関係、高分子、半導体、化学関連会社等が挙げられます。少し変わった応用分野として、保安警察分野における麻薬、爆発物の識別、また、歴史的絵画の正確な修復のための絵具、顔料の分析等にも応用されています。
宝石学者もまた宝石の識別、そして宝石に含有される微小鉱物内包物の分析による産地の判別に顕微ラマン装置を活用しています。最近、宝石学会では低品質ダイヤモンドに対する新しい熱処理法について数多く議論がなされています。この処理により、低品質ダイヤモンドの外見上の改質が可能です。 幸運にも、レニショー顕微ラマン装置によりこの処理が行われたダイヤモンドに対しても、残された本来の品質を判別し素性を明らかにすることが可能です。
そしてまた、さまざまな医学的用途へも研究が進められています。最も注目される研究のひとつは、癌と初期癌細 胞の識別です。近い将来、小型光ファイバープローブと自動顕微鏡システムを用い、人体組織からスペクトルを取得し、これにより外来診療においての潜在する癌の早期診断が可能になることが期待されます。
装置の新機能開発はとどまるところを知りません。種々のレーザーによる測定、光学フィルタシステムの改善、数多くのアクセサリー、自動機能の拡張、また、ソフトウエアーの改良による装置の操作性はより一層向上しています。レニショーのラマン分光における新技術開発と共に、応用用途の範囲も確実に広がるものと確信します。詳細はお問い合わせください。
■医薬品 | |
医薬品の効力は、成分の分布状況により変わるのでその混ざり方を知ることは重要であり、錠剤全体のマクロな分布と微小部の高空間分解能によるミクロな分布の両方の情報を得る必要があります。 ラマン分光法の従来のポイントマッピング測定法では、錠剤全面の測定にとても多くの時間を要してしまい、現実的には不可能に近いといえます。 レニショーが開発したStreamLine™(高速ラマンイメージング)は、錠剤全面のマッピング測定を可能とするため、錠剤の成分識別、配合比率や製剤の検査などにとても有効です。 右図は、左のイメージが錠剤の全面を測定(約30分)、右のイメージが中間部位を高空間分解能で測定(約30分)し、カフェイン・アスピリン・パラセタモールそれぞれの成分分布を多変量解析法を用いてケミカルラマンイメージを作成した分布図。 |
![]() |
■カーボン材料 | |
ラマン分光法は、単結晶からアモルファス構造まで、多様な構造をもつカーボン材料の評価にとても有用である。特に、ハードディスク等の表面コーティングに用いられるDLC(Diamond Like Carbon)の品質管理、電池材料として用いられるグラファイトの評価、新素材であるカーボンナノチューブ、フラーレン、グラフェンなど高機能性カーボン材料の結晶性評価などに用いられています。 レニショーでは、DLC(Diamond Like Carbon)解析プログラム(測定するDLCサンプルをセットして測定点の座標(多数点測定対応)を設定するだけで、オートメーション(オートフォーカス機能対応)でサンプルを測定し、任意の分析に従って解析して出力する事が可能(ロード・アンロード機能含))もオプションで用意しています。 右図は、ハードディスクのDLC保護膜厚の分析です。 ラマン測定により、保護膜の厚さの違いをモニターできます。 |
![]() |
■材料科学 | |
ラマン分光法は、空間分解能・構造解析能力の高さによって、物質の配向性や結晶性、応力といった情報を得ることができます。特に、近年の高性能デバイスの集積化ならびに原材料不足にともない薄膜材料の発展は目覚しいです。
そのため、結晶シリコンのストレス解析、TFT液晶パネルや太陽電池に用いられるポリシリコン(結晶シリコン)の評価、微小異物分析などにラマン分光法が広く用いられています。 右図は、 StreamLineによるシリコンウエハーのナノインデンテーションイメージ(ピークポジション分布)です。 |
![]() |
■ナノテクノロジー | |
新機能材料の物性評価、分子構造解析、結晶構造解析などにラマン分光法が大いなる道具として使用されていますが、ユーザーはさらに高空間分解能な測定、表面形状と物性の関係を調べたいとの要求が多くあります。 レニショーでは、Nanonics社(日本代理店:巴工業株式会社)と共同でラマン分光装置とAFM(原子間力顕微鏡)との複合装置を開発しました。これにより、従来の光学顕微鏡の回折限界を大幅に超えたФ100nmオーダーの高空間分解能のラマン測定が可能となり、またSERS(表面増強ラマン散乱)により高感度な測定が可能となりました。 右図は、Siストレス層のTERS(Tip Enhanced Raman Spectroscopy)測定結果。上図のイメージは、左図が顕微ラマンマッピングイメージで、右図が顕微ラマンスペクトルとTERS測定スペクトルの差分スペクトルイメージです。 下図のラマンスペクトルは、赤線のスペクトルが通常の顕微ラマン測定結果、青線のスペクトルがRaman Enhanced Probeを用いたTERS測定結果で、これによりSi表面のストレス層に起因するピークのみが増強されていることが確認できる。 | ![]() |
■ポリマー(高分子) | |
ラマン分光法は、フィルム、シート、ペレット、ゴムなどの多様な高分子試料を非破壊・非接触で分析できるため、非常に有用である。測定試料は、粉末、液体、固体などその試料形態は様々な形状のもの、例えば、繊維、フィルム、粉末、ブロック、ガラス封入等が直接測定できます。
また、ラマン分光法は深さ分析が可能なため、フィルム内包物の微小異物分析、粘着テープの基材フィルムとして用いられた多層基材フィルムの組成分析など多層構造材料解析などにも有効です。 右図は、StreamLineによるポリマーラミネートフィルムのラマンイメージング。赤色がPMMA(ポリメチル・メタクリレー)、緑色がエポキシ、青色がPS(ポリスチレン)を表しています。 | ![]() |
■半導体 | |
半導体の高集積化など急速な発展により、デバイス技術における半導体評価技術が重要となっている。ラマン分光法は、シリコンやSi-Geといった半導体のストレス評価、微小領域の異物分析が可能であるため、半導体デバイス技術にとても有効です。 右図は、StreamLineによる歪シリコンSi-Geのクロスハッチ構造のラマンイメージング。コントラストは、0.2cm-1のピークシフトを表しています。 | ![]() |
■宝石・鉱物 | |
ラマン分光法は、宝石学分野においてレーザーを用いた微小領域の分析が可能で、宝石内部のインクルージョンを非破壊で分析することができ、産地同定などに有効な情報が得られます。一方、ラマン分光を測定する際には物質から生ずる蛍光も同時に測定され、こちらはフォト・ルミネッセンス分析法としてHPHT(高温高圧)処理の看破など、ダイヤモンドの構造欠陥を検出する上での重要な指標となっています。さらに、鉱物/無機材料の物質の構造解析についても広く用いられています。 右図は、StremLineによる鉱物(砂岩)のラマンイメージング。赤色がアナターゼ、緑色が石英、青色がヘマタイトの分布を表しています。 | ![]() |
■法科学 | |
犯罪化学分野において、事件の事実を証明する証拠を与え事件を解明する上で、未知資料の同定、複数資料間の異同識別の分析が行われています。これらの分析には、ライブラリーの充実、ノウハウの蓄積などから赤外分光が主流ですが、より高度な分析を行う上でラマン分光法は欠かせません。 レニショーでは、ラマン分光器にSmiths Detection社FT-IRが簡単に搭載可能であるので、同一測定箇所のラマン散乱光スペクトルと赤外吸収分光スペクトルの相補的な情報が得られます。 またラマン分光法は、保安警察分野における麻薬、爆発物の識別などにも用いられています。 右図は、砂糖に混ぜられたコカインのラマンイメージング(黄色の部分にコカインが分布)。 | ![]() |
■生体医学 | |
ラマン分光法は、様々な医学的用途への研究が進められています。
レニショーでは、生体医学分野への研究に対して、化学物質の分布観察など広い分析用途に対応するために、革新的なStreamLine(高速ラマンイメージング)の技術を開発しました。 右図は、StreamLineによる歯の断面のラマンイメージング。緑色がエナメル、青色が象牙質、赤色が蛍光部分の分布を表しています。 | ![]() |