低消費電力で大画面化に対応 業界最多の8灯直列駆動対応自動調光機能付、液晶バックライト用LED ドライバ「BD60910GU 」を開発
この新製品は、2009 年1 月からサンプル出荷(サンプル価格:180 円)を開始し、2009 年5 月から当面月産50 万個の規模で量産を予定しています。前工程をローム浜松株式会社(静岡県)、後工程をローム福岡株式会社(福岡県)で行います。
携帯電話などのモバイル機器は、ワンセグ機能の搭載やブラウザ機能の搭載で視聴時間の長時間化に伴ってバッテリの長寿命化のニーズが高まる一方で、液晶パネル自体の大画面化や高精細化も進んでいます。このため、液晶パネルのバックライトLED に対しても画面の明るさを確保するための多灯化と低消費電力化という相反するニーズに同時に対応することが求められています。こうした状況の中で、低消費電力化を実現するために、状況に応じて最適な明るさに調整する自動調光機能の採用が進んでいますが、従来の自動調光機能つき白色LED ドライバLSI では、最も多いもので7 灯駆動であり、1 つのLED ドライバでは、3.5 インチサイズ程度までにしか対応できず、大画面での視環境に対応した画面の明るさ調整が困難になっていました。
従来の技術では灯数面では、出力端子耐圧の問題などから、モバイル機器用では、7 灯までのドライブが限界でした。今回開発した『BD60910GU 』は今まで課題となっていた高耐圧素子と、自動調光のためのデジタル回路を混載可能なプロセスを採用し、自動調光機能付としては業界最多8 灯のバックライト用白色LED ドライバを実現しました。また、ローム独自の照度センサ制御とPWM 調光機能により、低消費電力ながら、表示品質をアップできるダブル調光機能を搭載し、周囲の明るさ(視環境)の変化に対応して最適なバックライトの明るさを実現できるほか、画像コンテンツの明るさに応じた調光で、大幅な低消費電力を実現できます。
また、従来の周囲照度による自動調光機能付きLED ドライバには、特定の出力形式の照度センサにしか対応できないものも多く、お客様がLED ドライバIC を選択する際に選択肢が限られていましたが、『BD60910GU 』ではLog 出力タイプの照度センサおよび、リニア出力タイプの各出力方式に対応でき、照度センサの出力方式に制限なくお使いいただけます。
さらに、一般にはPWM 調光時にはノイズが発生し、携帯電話の通信感度が下がってしまったり、昇圧回路での出力電圧変動によるコンデンサの音鳴りが発生するため、対策部品であるフェライトビースやシールド材を使用しますが、『BD60910GU 』では、PWM 調光時の昇圧電力変動を最小限に抑えるシステムを採用し、コンデンサの音鳴りおよびノイズの発生を低減できます。
ロームは従来からLCD バックライト用LED ドライバの分野で、白色LED 灯数や昇圧の方式、メインおよびサブのバックライト、モバイルライトやイルミネーション対応など様々な仕様で対応しており、小型・高効率を共通の特長としているため、市場から高い評価を得ています。今後ともお客様のニーズに沿った製品開発をすすめると共に、さらなる製品シリーズの拡充に努めてまいります。
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