スマートコミュニティ構築に最適な「Wi-SUN」対応の汎用無線通信モジュールを開発、アンテナ内蔵で電波法認証取得済み、ファームウェア搭載により導入が容易
国際無線通信規格「Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)」対応の汎用無線通信モジュール「BP35A1」 ※4月4日現在 ローム調べ
ローム株式会社(本社:京都市)は、M2MやIoT、スマートメーターを始めとするスマートコミュニティ構築に最適な国際無線通信規格「Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)」対応の汎用無線通信モジュール「BP35A1」を開発しました。
今回開発した「BP35A1」は、スマートメーターでのみ動作するような特定用途向けではなく、どんな機器にも「Wi-SUN」通信を実現可能な、業界初※となる汎用無線通信モジュールです。
また、アンテナ内蔵で電波法認証も取得済み、HEMSに最適なファームウェアも搭載しており、簡単に通信機能を組み込むことができます。さらに、業界トップクラスの受信感度を達成し、無線特性にも優れたモジュールとなっています。
なお、本製品は、4月からサンプル出荷(サンプル価格:10,000円/個)を開始しており、8月より月産3万個の体制で量産を開始する予定です。生産拠点はROHM Electronics Dalian Co.,Ltd.(中国)となります。
<背景>
近年、あらゆる分野で省エネの意識が高まっており、各種インフラを効率的に使用するため、モニタリングを行い、制御・管理するシステムを活用したスマートコミュニティが注目されています。
こうした中、スマートコミュニティ構築に最適な国際無線通信規格として「Wi-SUN」の推進が進められています。Wi-SUNは、日本では特定小電力無線と呼ばれる920MHz帯に相当し、無線LAN(Wi-Fi)と比較して低消費電力でつながりやすいという利点から、スマートメーターや交通インフラなどのスマートコミュニティの他、M2MやIoT市場にも最適とされています。スマートメーターと宅内間の無線通信にWi-SUNを採用することを決定した電力会社も出てきており、今後の普及に期待が高まっています。
ロームは、従来からアンテナ内蔵で電波法認証取得済み、ファームウェア搭載済みなど、導入が難しいとされる無線通信の課題を解決するモジュールを開発しており、今回も同じコンセプトでWi-SUNに対応する汎用モジュールを開発しました。
また、グループ会社のラピスセミコンダクタでも、2014年1月に無線通信LSI「ML7396B」でWi-SUN PHY認証を取得し、世界初のWi-SUN Alliance認証製品となるなど、グループ全体で業界に先駆けて開発を進めています。
<特長>
1.HEMSに最適なファームウェアを搭載
本モジュールは、32bitのハイパワーマイコンを採用することで、HEMSに最適なWi-SUN対応ファームウェアを搭載することができました。また、TTC標準JJ-300.10準拠の方式B(ZigBeeスタック)も準備中で、幅広いユーザーニーズ応えることが可能です。
2.オールインワンモジュールで無線機能をらくらく導入
日本国内における特定小電力無線(920MHz帯)の電波法認証取得済みでアンテナも内蔵しているため、高周波設計が不要になり容易な導入を可能にします。また、UARTインターフェースを搭載しているため、ファームウェアと合わせて汎用性が高く非常に使いやすいモジュールとなっています。
3.ラピスセミコンダクタのML7396Bを採用し、業界トップクラスの受信感度を達成
無線の特性として一番重視される受信感度においては、業界トップクラスの-103dBm(100kbps、BER<0.1%)を実現。つながりやすい特定小電力無線の中で、さらに高い通信品質を可能にしました。
