メンター・グラフィックス・コーポレーション（本社: 米国オレゴン州、以下メンター・グラフィックス）は、Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Ltd.（本社: 台湾 新竹、以下TSMC）が20nmノードの製造プロセスに対するTSMCのダミーパターンのフィル要件を満たすため、Calibre®のSmartFillソリューションを使用すると発表しました。Calibre YieldEnhancerの一部であるSmartFill機能が提供する解析および自動フィルは、従来のダミーパターン挿入手法で対処できない20nmノードの新しいフィル要件に対応しています。CalibreのSmartFillソリューションは、ダミーパターン挿入後のGDSデータベースのサイズを大幅に縮小し、これまでよりも高速なランタイムを実現するため、設計者は手動によるカスタマイズや修正を施すことなく、回路性能への影響を最小限に抑えつつ、1回の処理でICフィル制約を満たすことができます。


●高度なフィル要件に対応する新しい機能
ノードの微細化に伴い、従来のダミーパターン挿入手法を超えたフィル要件が求められています。ダミーパターンの挿入は、平坦性の改善だけでなく、化学機械研磨（CMP）、電気化学めっき（ECD）、エッチ、リソグラフィ、ストレス、RTA（急速熱アニール）も考慮する必要があります。高機能ソリューションであれば、これらの影響を同時に対処できる機能に加え、使いやすさや設計フローの統合も実現できなければなりません。

Calibre YieldEnhancerのSmartFill機能には、マルチレイヤのフィル形状やユーザ定義のフィルセルに対応した高度な機能が含まれており、設計の解析結果に基づいてレイアウトにダミーパターンを自動挿入できます。また、線形パス‐フェイル（pass-fail）条件の代わりに連続した多次元関数を使用して、一次元のデザインルールだけでは対応できない複雑なフィルアルゴリズムを的確に解決します。これによりユーザは、密度や周囲長など複数の要素を同時に最適化できます。

SmartFill機能は、顧客の既存設計環境にシームレスに適合します。業界を代表するすべての設計データベースにフィル形状をバック・アノテーションすることで、最終的なタイミング検証を実行できます。また、ダミーパターン挿入中に特殊処理が行われたクリティカル・ネットのリストをユーザが生成することも可能です。

「先端ノードのICレイアウトにダミーパターンを挿入することは、製造上の平坦化制御を超えた効果があります。CalibreのSmartFill機能は、正確な分量と形状のダミーパターンを正確な位置に挿入できる高速の自動ソリューション、自動化された高速ソリューションとして、複雑な製造要件を満たし、設計意図を反映させたレイアウトの実現に役立ちます。」メンター・グラフィックス、Calibre DFM Product Marketing、Director、Jean-Marie Brunetは、上記のように述べています。

「プロセスノードの世代が新しくなるたびに、メンター・グラフィックスと協力してダミーパターン挿入の新たな課題に対処し続けています。20nmノードでは、効果的なフィル戦略が製造の成功にとって欠かせません。Calibreに統合されたフィル解析とセルベース・フィル生成の機能を使用して、目標のランタイムと出力ファイルサイズを達成しつつ、より正確にダミーパターンを挿入できるとともに、フィルデックをより簡単に記述できます。」TSMC、Design Infrastructure Marketing Division、Senior Director、Suk Lee氏は、上記のように述べています。