2011年6月30日、ローデ・シュワルツ社（本社：ドイツ　ミュンヘン）は、中国ドイツ経済技術協力フォーラムにおいて、中国移動通信の研究機関である中国移動通信研究所と、TD-LTEの試験技術と試験システムの開発において共同研究を実施することで合意しました。フォーラム内で交わされた覚書では、TD-LTE方式の世界的な展開を促進するためにTD-LTE方式の試験技術と試験装置の開発において、両社が今後協力して共同研究を進める事が強調されています。

TD-LTEとは、これまで主にFDD※１方式に集中して開発されてきたLTE規格のTDD※2方式を指し、携帯端末間において高速なインターネットアクセスを可能にします。GSA（The Global mobile Suppliers Association）がまとめた調査によりますと、TD-LTEは全世界で大きなシェアを獲得すると予測されています。TD-LTE方式はアジア太平洋地域の他、欧州と米州においてもサポートを認められ、移動体通信の世界において70カ国以上の国々から支持を得ています。

TD-LTEネットワークと端末の試験において主要な通信事業者である中国移動通信は、TD-LTE試験システムの開発促進において大きな一歩を踏み出しました。
端末試験の分野において、中国移動通信は、プロトコル、RF、RRMを含む認証試験を統括するGCF（Global Certification Forum）傘下のTD-LTE WI （Work Items）プロジェクト・グループを主導しています。端末間試験のソリューション構築とエンド・ユーザーの使用体験をシミュレートするために、ネットワークのシミュレートを含む接続試験システムの開発において、中国移動通信は他の通信事業者や試験システムメーカーと協力しています。

ローデ・シュワルツ社は長年にわたり、携帯電話事業者、テストハウス、チップセットメーカー、携帯端末メーカーの各お客様に対してテストソリューションを提供してまいりました。TD-LTEにおきましても、ローデ・シュワルツ社はRF認証試験、RRM試験、PQA、シグナリング認証試験、プロトコル試験のソリューションを提案いたします。
今回の中国移動通信研究所とローデ・シュワルツ社による共同研究の取り組みは、端末間でのTD-LTE試験環境を確立し、堅牢なネットワークと高品質な端末の実現を確かなものにするでしょう。

※１FDD：　Frequency Division Duplexing、周波数分割複信
※２TDD：　Time Division Duplexing、時間分割複信