SiC パワーデバイスの普及に対応 高電圧回路のインバーター効率を評価 AC/DC ハイボルテージディバイダを発売
VT1005 と当社が提供するパワーアナライザPW8001 の組み合わせによって、高電圧の大電力を正確に測定し、SiC パワーデバイス *1 採用による効率改善効果が把握できます。
■開発の背景
鉄道やパワコンといった、「大電力」を扱うインフラを中心に、SiC パワーデバイスを使用したインバーターの採用が進んでいます。インバーターなどの電力制御システムは、使用目的に応じて電気を適切な状態に変換しますが、その過程で電気エネルギーの損失が起こります。効率の良いインバーターほど損失が少なく、電気エネルギーを有効に活用できます。インバーターにSiC パワーデバイスを使用することで、エネルギー損失を大幅に削減し、効率を改善できます。
インバーターによって変換された電力には、「基本波」「スイッチング周波数」「高調波」といった成分が含まれます。SiC パワーデバイスの採用による効率改善効果を把握する場合、これらの成分の正確な測定が不可欠です。
効率測定における最適なツールとしてパワーアナライザーがあります。しかし、一般的にパパワーアナライザーは1000 V 以上の電圧を直接測定できません。高電圧の大電力を測定する場合、電圧を測定器に対応した仕様まで落とすために高電圧差動プローブや計器用変圧器を使います。しかし、高電圧差動プローブや計器用変圧器では、変換された電力の各成分を正確に測定できません。そのため、効率が100%を超える、測定値が安定しない、再現性が低いといった課題がありました。こうした課題を解決するために、VT1005 は開発されました。VT1005 は最大5000 V の電圧を分圧しパワーアナライザーへ出力します。インバーター出力側電力に含まれる各成分を正確に捉え、0.1%の効率改善効果を把握できます。
■特長
1. 最大5000 V の高電圧を安全に測定
VT1005 は、最大5000 V の電圧を分圧し、パワーアナライザーへ出力します。
2. 優れた周波数平坦性
高効率インバーターの効率を高精度に測定するためには、DC から高周波に渡る電力の正確な測定が必要です。VT1005 は、優れた周波数平坦性で基本波だけでなく、スイッチング周波数成分まで正確に測定します。
■主な用途
SiC パワーデバイスを用いた鉄道(船舶)用インバーターの効率評価
SiC パワーデバイスを用いた産業機器用インバーターの効率評価
高電圧の入力に対応したパワーコンディショナーの効率評価
高圧回路用トランス・リアクトルの損失評価
ワイヤレス給電システム(WPT)の効率評価
■年間販売目標台数(国内外)
VT1005 150台/年
■発売予定日
国内、外国 2022 年10 月28 日(金)
■価格
VT1005 450,000 円(税込み495,000 円)
*1 SiC パワーデバイスは、低損失、高耐圧で高温動作に適した新しいパワー半導体です。周辺の受動部品や冷却装置を小型化にできるため、高性能電源機器への採用が広がっています。
