欧州新規格に適合するフエニックス・コンタクト社製SPD。メガソーラー、市場で本格的な導入を開始
2013/03/18
フエニックス・コンタクト(株)
太陽光発電用SPD欧州新規格に適合し外部分離器不要
フエニックス・コンタクト株式会社(本社:横浜市、代表取締役:青木 良行)が昨年販売を開始したSPD(サージ防護機器:避雷器)「VAL-MS ... DC-PV」シリーズが、太陽光発電システム用接続箱メーカーを中心に高評価を受け、大規模施設向けなどでの本格的な導入が開始されました。フエニックス・コンタクト社では太陽光発電市場向けのプラグ式SPDを2010年にリリースし、ドイツ市場を中心に欧州で高い実績を挙げています。欧州での太陽光発電用SPD新規格の制定に合わせた新シリーズのリリースと、昨年7月の日本での再生可能エネルギーの全量買取制度開始に伴う大型施設の建設ラッシュを好機として同社製品の日本での普及が進んでいます。
太陽光発電分野で世界に先行した欧州ではその雷保護システムに使用されるSPDの所要性能についても他市場に先駆けて見直しが行なわれています。
従来電源用SPDの規格であるIEC 61643-1では太陽光発電のような直流用途での試験方法については規定されていません。新規格EN 50539-11は太陽光発電システムの直流側に用いられるSPDに特化して所要性能と試験方法を定めています。
MOV(酸化金属バリスタ)を用いたSPDでは、サージ等の放電の量に応じて素子が劣化し、進行すると短絡故障に至ります。このためほとんどのSPDでは内部分離器を備えており一定の条件で素子を電源システムから分離して短絡故障を防止しています。しかし稀に非常に大きなサージの放電があった場合に内部分離器動作に至る前に素子が短絡故障を起こし、電源ラインの短絡や地絡を引きおこす恐れがあるため、一般的な交流電源システムでは電源ラインから外部分離器(バックアップヒューズ)を経由してSPDを接続し、上記のような短絡故障の際にSPDを電源から分離します。
ソーラーパネルで発電された直流の電力は特有の電圧‐電流特性を持ち、出力を短絡しても電流は最大電力点での電流の1.2倍前後のものが主流となっています。また出力電流は太陽光の照射量に依存し曇天時などには大幅に減少します。この特性のため外部分離器を使用してもSPDの短絡故障時に流れる電流が小さく、ヒューズによる遮断/分離ができないケースが多くなります。
フエニックス・コンタクト社ではこの課題に早期から取り組んでおり、MOVの短絡故障時にも外部分離器に依存せず、内部分離器が確実にSPDを電源システムから分離する回路方式・設計を確立しています。MOVと内部分離器各三個をY字状に結線した回路方式で、放電経路はすべてMOV二個が直列に接続された回路となり、MOV一個が短絡故障しても一個が残り、電源ラインの短絡・地絡は起こりません。大きなサージの放電後、短絡故障に至らず劣化した状態で残ったMOVは内部分離器により電源から分離されます。
新規格 EN 50539-11では素子の短絡故障を模した試験方法も定めており、VAL-MS ... DC-PVはこの規格に適合して第三者認証を受けています。
国内の太陽光発電で用いる接続箱ではSPDの外部分離器としてSPDの数倍のスペースを必要とするブレーカを用いることが多いですが、VAL-MS ... DC-PVではこのブレーカの省略が可能になります。
フエニックス・コンタクト株式会社は接続箱メーカーやEPCを中心に2013年10,000台の販売を見込んでおり、今後パワーコンディショナなどの機器メーカーでの導入拡大を見込んでいます。
最大放電電流Imax: 40kA。プラグ式のため交換時の配線作業が不要。推定短絡電流300Aの電源システムまで使用可能です。DC1000V対応品、Type1(クラス?)対応品を含む全8アイテムをラインアップしています。
大口ユーザー向け実売価格は12,000円前後〜。コスト削減の要求が厳しい太陽光発電市場での価格帯を考慮しています。
【本件に関する問い合わせ】
フエニックス・コンタクト株式会社
045-471-0059
info@phoenixcontact.co.jp
【フエニックス・コンタクト株式会社について】
ドイツの接続機器、インターフェース製品のトップメーカー、フエニックス・コンタクト社の日本法人。レール搭載用端子台・プリント基板用端子台・産業用コネクタの接続機器、信号変換器・電源・リレーを中心とする電子機器、サージ電圧保護技術を中心とする産業用コンポーネントおよびフィールドバスオートメーションシステムの国内販売を行っている。
フエニックス・コンタクト株式会社(本社:横浜市、代表取締役:青木 良行)が昨年販売を開始したSPD(サージ防護機器:避雷器)「VAL-MS ... DC-PV」シリーズが、太陽光発電システム用接続箱メーカーを中心に高評価を受け、大規模施設向けなどでの本格的な導入が開始されました。フエニックス・コンタクト社では太陽光発電市場向けのプラグ式SPDを2010年にリリースし、ドイツ市場を中心に欧州で高い実績を挙げています。欧州での太陽光発電用SPD新規格の制定に合わせた新シリーズのリリースと、昨年7月の日本での再生可能エネルギーの全量買取制度開始に伴う大型施設の建設ラッシュを好機として同社製品の日本での普及が進んでいます。
太陽光発電分野で世界に先行した欧州ではその雷保護システムに使用されるSPDの所要性能についても他市場に先駆けて見直しが行なわれています。
従来電源用SPDの規格であるIEC 61643-1では太陽光発電のような直流用途での試験方法については規定されていません。新規格EN 50539-11は太陽光発電システムの直流側に用いられるSPDに特化して所要性能と試験方法を定めています。
MOV(酸化金属バリスタ)を用いたSPDでは、サージ等の放電の量に応じて素子が劣化し、進行すると短絡故障に至ります。このためほとんどのSPDでは内部分離器を備えており一定の条件で素子を電源システムから分離して短絡故障を防止しています。しかし稀に非常に大きなサージの放電があった場合に内部分離器動作に至る前に素子が短絡故障を起こし、電源ラインの短絡や地絡を引きおこす恐れがあるため、一般的な交流電源システムでは電源ラインから外部分離器(バックアップヒューズ)を経由してSPDを接続し、上記のような短絡故障の際にSPDを電源から分離します。
ソーラーパネルで発電された直流の電力は特有の電圧‐電流特性を持ち、出力を短絡しても電流は最大電力点での電流の1.2倍前後のものが主流となっています。また出力電流は太陽光の照射量に依存し曇天時などには大幅に減少します。この特性のため外部分離器を使用してもSPDの短絡故障時に流れる電流が小さく、ヒューズによる遮断/分離ができないケースが多くなります。
フエニックス・コンタクト社ではこの課題に早期から取り組んでおり、MOVの短絡故障時にも外部分離器に依存せず、内部分離器が確実にSPDを電源システムから分離する回路方式・設計を確立しています。MOVと内部分離器各三個をY字状に結線した回路方式で、放電経路はすべてMOV二個が直列に接続された回路となり、MOV一個が短絡故障しても一個が残り、電源ラインの短絡・地絡は起こりません。大きなサージの放電後、短絡故障に至らず劣化した状態で残ったMOVは内部分離器により電源から分離されます。
新規格 EN 50539-11では素子の短絡故障を模した試験方法も定めており、VAL-MS ... DC-PVはこの規格に適合して第三者認証を受けています。
国内の太陽光発電で用いる接続箱ではSPDの外部分離器としてSPDの数倍のスペースを必要とするブレーカを用いることが多いですが、VAL-MS ... DC-PVではこのブレーカの省略が可能になります。
フエニックス・コンタクト株式会社は接続箱メーカーやEPCを中心に2013年10,000台の販売を見込んでおり、今後パワーコンディショナなどの機器メーカーでの導入拡大を見込んでいます。
最大放電電流Imax: 40kA。プラグ式のため交換時の配線作業が不要。推定短絡電流300Aの電源システムまで使用可能です。DC1000V対応品、Type1(クラス?)対応品を含む全8アイテムをラインアップしています。
大口ユーザー向け実売価格は12,000円前後〜。コスト削減の要求が厳しい太陽光発電市場での価格帯を考慮しています。
【本件に関する問い合わせ】
フエニックス・コンタクト株式会社
045-471-0059
info@phoenixcontact.co.jp
【フエニックス・コンタクト株式会社について】
ドイツの接続機器、インターフェース製品のトップメーカー、フエニックス・コンタクト社の日本法人。レール搭載用端子台・プリント基板用端子台・産業用コネクタの接続機器、信号変換器・電源・リレーを中心とする電子機器、サージ電圧保護技術を中心とする産業用コンポーネントおよびフィールドバスオートメーションシステムの国内販売を行っている。
