車載用ヘッドランプ/デイライト用 LEDドライバを 1チップで実現
昨今、車載用のヘッドランプは、徐々に LED化が進んできており、高効率・長寿命といった特長を背景に将来的にはヘッドランプ市場の中心になると期待されています。また、自動車の安全性、視認性確保のため、LEDを使用した DRLを搭載するケースが増加しており、今後は、LEDヘッドランプ/DRLの搭載が車載向け標準仕様になると予測されます。現時点では、LEDヘッドランプの採用は高級車など一部の車種に限定されており、自動車メーカー、ヘッドランプメーカー様においては、汎用の LEDドライバ LSIを流用、または、ディスクリート部品を中心に構成するという形をとられており、DRLを搭載する場合はそのドライバ回路も別に用意する必要がありました。ロームでは、今後のヘッドランプの LED化に備えていち早く専用 LSIの開発に着手し、ヘッドランプ用 LEDドライバに必要とされる機能を取り込んだ LSIの開発を進めてきました。今回ロームが開発したヘッドランプ専用LEDドライバ LSIは、特に欧米などで先行して普及がはじまっている DRL向けに、オシレータ回路を内蔵することによりマイコンレスでの PWM調光を実現しました。また、高信頼性が求められる車載市場のニーズに対応して LEDのショート、LEDのオープンなどヘッドライトの故障を検出する各種保護機能を搭載し、ディスクリート部品で構成する場合や、汎用の LEDドライバ LSIで構成する場合と比較して部品点数の削減による大幅な信頼性の向上を実現しました。また、絶対最大電圧を 50Vに設定し、バッテリの電圧変動にも余裕を持って耐えられる高耐圧化も実現しました。
ロームでは、携帯電話用、薄型パネル用などの各種の LEDドライバを幅広く製品化しており、低消費電力、高信頼性といった特長により LEDドライバ LSI市場においてお客様から高い評価をいただいています。今回の新製品の開発はこうしたLEDドライバ回路技術の幅広いノウハウと、自動車市場向けに専用ラインを設置して、高い信頼性を実現する高品質、高信頼性の総合力で実現したものです。ロームでは、今後市場が大きく拡大すると期待される自動車電装品市場向けにさらにLEDドライバ LSIの製品ラインアップの強化を図っていく考えです。