車載向け新LDOシリーズ(AEC-Q100対応)を16機種開発、ボディ・パワートレイン系マイコン電源に対応
今回開発した「BD4xxMxシリーズ」は、パワー系最先端プロセスである0.35µmのBiC-DMOSを採用、加えてロームが得意とするアナログ設計技術を駆使し、一般品の2分の1以下(無負荷時)となる消費電流を実現、自動車の省エネ化に貢献します。また、回路の工夫により、発振防止用コンデンサに電解コンデンサを必要とせず、セラミックコンデンサで対応できるため、実装面積とコストの削減にも貢献します。
2013年6月より随時サンプルを出荷(サンプル価格:100円)しており、2014年2月から当面月産150万個の体制で量産を開始しています。
<背景>
近年の自動車における電源ICは、電装化や多機能化が進むにつれて、オールマイティを追求するよりも、それぞれの状況に応じてパッケージや出力電流など、用途に合うように種類の豊富さや求められる特性を広範囲でカバーするようなシリーズ展開が求められています。
また、自動車業界は、東日本大震災やタイの洪水等の自然災害に対するリスクヘッジを背景にした数社による並列購買、または使用部品の標準化を全世界的に推進しており、この動きは今後ますます加速すると推測されます。
ロームはこれらの動きにいち早く対応し、さまざまなパッケージや出力電圧・電流ラインアップを持ち、汎用性が高く、あらゆる用途をカバーできる車載向けのLDOシリーズを開発しました。
<新製品の詳細>
「BD4xxMxシリーズ」は、出力電圧と出力電流はもとより、過酷な環境向けのパワーパッケージから面積を削減する小型パッケージまでラインアップしており、自動車の電子部位全般に向けて開発されたLDOです。
0.35µmのBiC-DMOSプロセスを採用し、ロームが長年培ってきたアナログ設計技術を駆使することで、入力耐圧45Vとさまざまな車載用途に適応する高い信頼性、無負荷時には一般品の2分の1以下、有負荷時にも一般品と比較して安定した低消費電流を実現しており、自動車の省エネ化に貢献します。
さらに、出力変動対策、発振対策では、一般品と異なり1~10µF程度の小さな容量でも安定した電圧出力ができるため、外付け部品にセラミックコンデンサを使用可能で、省スペースを実現します。
ロームは今後も車載向けに、さらなる高信頼性電源ICやリセット機能付などの高機能化した電源ICの開発をしていきます。
<特長>
1.一般品の2分の1以下となる消費電流を実現
「BD4xxMxシリーズ」は、ロームが長年培ってきたアナログ設計技術を駆使し、一般品の2分の1以下(無負荷時)となる消費電流を実現しました。また、「BD4xxMxシリーズ」「BDxxC0Aシリーズ」ともに、無負荷時だけではなく有負荷時にも、一般品と比較して安定した低消費電流を実現できます。
電装化が進むにつれ実装数が増えるマイコンに対する一つ一つの電源ICの低消費電力化が、自動車の恒久的な省エネに貢献します。
2.セラミックコンデンサ対応で、実装面積削減とコストダウンに貢献
入力変動時の出力電圧変動対策、発振対策として、1~10µF程度の小さな容量でも安定した電圧出力が可能です。このため、外付け部品に電解コンデンサではなく、セラミックコンデンサを使用できるようになり、実装面積の削減とコストダウンに貢献します。
3.あらゆる用途に対応する汎用パッケージ群
回路構成を見直しブロック数を削減、同時にチップレイアウトも組み直すことにより、過酷な用途に向けたパワーパッケージから省スペースを必要とする場合に最適な小型パッケージまで、車載用途6パッケージをラインアップしました。
<アプリケーション例>
◇燃料噴射装置(FI)
◇タイヤ空気圧監視システム(TPMS)
◇スマートキー
◇LCDモニタ
◇HEV/EVインバーター
◇ボディコントロールモジュール(BCM)
◇ヘッドアップディスプレイ(HUD)
◇クラスタ系
■43製品ラインアップで車載用途をフルカバー
【ボディ系/パワートレイン系マイコン用途に】
BD4xxM2シリーズ(45V耐圧200mA)
BD4xxM5シリーズ(45V耐圧500mA)
【情報系電源用途に(多彩な出力電圧レベルとパッケージ)】
BDxxC0Aシリーズ(35V耐圧1A)
