アットマークテクノとロームが、IoT市場向けに「Wi-SUN、EnOceanモジュール搭載IoTゲートウェイ」を発売
「Wi-SUN」(Wireless Smart Utility Network)は、特定小電力無線と呼ばれる920MHz帯を使用し、障害物に強く長距離(500m程度)の通信エリアを確保することができる次世代無線規格です。日本主導で標準化が進められ、スマートメーターやHEMSなどでの利用で注目が集まっています。そしてロームではWi-SUNアライアンスでCTBU(Certified Test Bed Unit)に登録されているモジュールBP35A1を保有しています。BP35A1はリファレンスデザインとして認定されているのでWi-SUN通信においてクオリティの高い相互接続性を実現することができます。
「EnOcean」は、環境発電によって電池なしで使える無線規格です。設置・メンテナンスのコストを最小限に抑えることができるため、照明や空調などのスイッチセンサとしてヨーロッパを中心にすでに40万棟以上の採用実績があります。
また、多様な機器をネットワークでつなぐことで成立するIoTやM2Mの市場では、省電力で設置場所を選ばずに使える無線モジュールの必要性が高まっています。Wi-SUNやEnOceanも今後広く普及することが見込まれ、センサや機器とインターネットとを仲介するゲートウェイ機器もこれらの規格に対応することが期待されています。
今回開発したArmadillo-IoTは、アットマークテクノ製の省電力・小型組み込みプラットフォーム「Armadillo(アルマジロ)」をベースとしたIoT向けゲートウェイで、アドオンモジュールを載せ替えることで各種機器の接続にフレキシブルに対応できるのが特長です。アットマークテクノは、ロームが開発した汎用Wi-SUNモジュール「BP35A1」とEnOceanモジュール「BP35A3」もArmadillo-IoT用アドオンモジュールとしてラインアップします。ローム製の無線モジュールはいずれもアンテナ内蔵で電波法認証も取得済みのため、Wi-SUNまたはEnOcean対応の無線センサにArmadillo-IoTゲートウェイをそのまま接続することができます。
アットマークテクノとロームの両社は、アットマークテクノの組み込みプラットフォームに関する技術力と、ロームの無線通信に関する技術力というお互いの強みを活かし、今後もお客様のニーズにあった製品ラインアップを強化する予定です。
■ BP35A1について
BP35A1はロームが開発したMCU内蔵の920MHz帯特定小電力無線モジュールです。内製(ラピスセミコンダクタ社製)のRFICとハイスペックMCUおよびパターンアンテナを内蔵したモジュールで国内電波法認証取得済です。更にロームで2種類のファームウェアを準備しておりWi-SUN(* 1)またはZigBee920IP(* 2)のスタックを選択して使用することができます。
■ BP35A3について
BP35A3はロームが開発した日本国内で使用可能な周波数928MHzのEnOcean(* 3)モジュールです。温度センサモジュール(STM431J)やスイッチモジュール(PTM210J)、マグネットコンタクトモジュール(STM429J)等からの信号受信用モジュールとして使用できます。アンテナを搭載し、使いやすい形状で提供する他、日本電波法認証も取得済みです。
(* 3)EnOceanについて
「EnOcean(エンオーシャン)」は、光や温度、振動などの微弱なエネルギーを集めて電気エネルギーに変換する「エネルギーハーベスト技術(環境発電技術)」を使用した、電池不要の無線通信規格です。
電池交換不要・配線不要の特長を生かし、特にスマートホームやビルオートメーション分野で急速に普及が進んでおり、先行して導入が進んでいる欧州ではビルや工場などの照明システムやセンサネットワークとして40万棟以上の採用実績があります。
■ 株式会社アットマークテクノについて
アットマークテクノは、札幌に本社を構える組込みプラットフォームの開発メーカーです。ARM搭載組み込みプラットフォーム「Armadillo」、FPGA搭載「SUZAKU(朱雀)」の2ブランドを展開し、いずれも試作から量産までそのまま使用することができます。
