RoHSアプリケーションに対応した装置データ収集システムを販売開始-環境規制物質の管理強化に貢献-
【本システム開発の背景】
製品検査の現場では、人の接触を低減させることを目的に業務のリモート化が進み、働き方に変化が起きています。それに伴い、検査装置の管理や、測定結果の確認をリモート下でスムーズに行える環境が求められています。しかし、検査業務の現場では、管理者がテレワーク等で不在になった際、業務管理をタイムリーに行うことができない、あるいは検査装置から得られた結果をすぐに確認できないなど、課題が生じています。
また、RoHS指令をはじめとした環境規制物質の管理強化が進む中、試料に対して複数の分析装置から得られる測定結果を、より効率的に管理・把握することが求められています。
【本システムの概要】
本システムは、さまざまな拠点の装置状態を示す装置ログ情報や測定結果を手元のブラウザで参照できるため、リモート環境下で検査業務の管理を行うことが可能です。また、RoHSアプリケーションは、検査時に複数の異なる検査装置から得られたRoHS判定結果を測定試料情報に紐づけ、一元管理するための専用Webアプリケーションです。これらデジタルソリューションを通して、お客様の検査・管理業務の効率化に貢献します。
本システムの主な機能とサービスは、以下の通りです。
1.RoHSアプリケーションで環境規制に対応
製品や部品の含有物質管理にRoHSへの対応が強く求められる中、RoHS分析に特化した専用アプリケーションを開発しました。測定試料の情報に紐づけして、蛍光X線分析装置(EA1400/EA1000VX/EA1000AⅢ)によるRoHS分析の検査結果と、加熱脱離質量分析計(HM1000/HM1000A)によるフタル酸エステル類の検査結果を、一覧で表示することができます。過去の測定結果を可視化するトレンドグラフの表示にも対応しており、異常値の把握をサポートします。
2.検査データ・結果の確認でリモートワークを支援
各拠点の使用装置から出力された計測データや装置のログ情報は、お客様専用のクラウド領域にアップロードされ、インターネット接続環境下であれば、分析の進捗・結果を世界中のどこからでも手元のブラウザで確認可能です。随時更新されるデータを確認することで検査の進捗や状況を把握でき、接続されている装置の使用状況表示や、装置使用予定のスケジューリング機能により、検査計画を調整するなどの業務管理も可能にします。また、遠隔環境下でも検査データを解析することが可能で、ロケーションフリーな働き方を支援します。
3.装置みまもりサービス
装置のエラー情報やログ情報は、クラウド上に定期的に自動アップロードされます。装置故障時のリモート診断により、故障部位の特定から修理作業までをより円滑にし、装置のダウンタイム削減に寄与します。また、装置稼働率の高いお客様には、定期的に日立ハイテクサイエンスのサービス部門が装置状態を確認するオンラインモニタリングサービスを提供します。
日立ハイテクサイエンスは、2021年11月8日(月)から11月10日(水)まで、幕張メッセ国際展示場(千葉県)で開催される「JASIS 2021」において、本システムのパネル展示を行う予定です。
日立ハイテクグループは、幅広い分野における研究・開発、品質管理業務を支え、科学と産業の持続的な発展に貢献します。また、「分析技術」をベースにお客様の先端ニーズをいち早く捉え、個別化・高度化するお客様の課題にフォーカスした装置を開発・提供してまいります。これからも、専用市場に特化したソリューション創出とワールドワイドでの事業拡大をめざし、社会・環境価値の創出に取り組んでまいります。
*1 RoHSアプリケーション:本アプリケーションは、装置データ収集システム上で動作するWebアプリケーションです。ご使用いただくには、装置データ収集システムへのご加入が必要です。
*2 装置データ収集システム:株式会社日立ハイテクのIoTサービスポータルExTOPEを使用しています。「ExTOPE」は、株式会社日立ハイテクの日本およびその他の国における登録商標です。
*3 RoHS指令:「Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment」の略。電気、電子機器における特定有害物質の使用制限に関する欧州の法令です。
■年間販売目標台数
50ライセンス/年
■関連情報
製品情報 https://www.hitachi-hightech.com/hhs/product_detail/?pn=ana-datacollection
