熱分析装置「NEXTA DMA200」を発売
本製品は試料の加熱・冷却中に荷重をかけ、その弾性率の変化を測定するもので、高周波高分解能型LVDTを搭載するとともに、荷重出力部の磁気回路を刷新することで従来比2倍の高荷重化を実現し、より高弾性率な試料の動的弾性率測定を可能にします。また、冷却ユニットには液化窒素を使用しない「ガスチラー冷却」を日立ハイテクサイエンスとして初めて導入し、お客さまの分析業務における安全性向上とランニングコスト低減に貢献します。さらに、弾性率の変化だけでなく、寸法や色彩などの試料の変化をリアルタイムに観察可能な「Real View®」を従来機種に引き続き搭載することで、お客さまのニーズに合ったさまざまなデータの取得が可能です。
本製品の提供により、幅広い弾性率の試料の分析を実現するととともに、よりお客さまのニーズに柔軟に対応した分析業務に貢献します。
【背景】
熱分析装置は、産業分野を中心に基礎研究から製品開発における各種材料の分析に活用されています。近年、製品の強度や剛性、軽量化等の機能向上を図るため、新機能を有する高機能・複合材料の開発が進んでおり、これに応じて熱分析装置の熱物性評価においても多様な評価が必要とされています。
例えば、自動車・航空機分野では、金属材料と同等の高弾性率を持ちながら、軽量で高剛性にも優れた炭素繊維強化プラスチックなどの開発が進み、新材料に対応した高分解能な分析が求められています。エレクトロニクス分野においては、半導体や光学部品の正確な機能を再現するため、接着剤の硬化温度と弾性率の相関を評価するなど、DMAによる分析ニーズが高まっています。
【主な特長】
1.広範囲な荷重出力と高分解能の両立
荷重出力部の磁気回路を刷新し、従来比2倍となる最大20Nの荷重出力を実現したことで、高弾性率の測定が可能になりました。また、荷重出力が増したことでより厚みのある試料の測定が可能になり、従来は測定前に細く加工する必要があった試料も、本製品では実際の形状により近い状態で測定でき、測定前の準備にかかる時間の削減にも貢献します。
2.多様な測定ニーズに合わせて選択可能な冷却ユニット
冷却ユニットはお客さまの測定環境や条件に応じて「ガスチラー冷却」「自動空冷」「全自動ガス冷却」の3種類から選択でき、-150℃~600℃の広範囲にわたる測定が可能です。また、日立ハイテクサイエンスの製品としては初めて液化窒素が不要な「ガスチラー冷却」の導入により、装置使用時の安全性向上やランニングコスト削減に貢献します。
3.高解像度の試料観察に対応した「Real View®」
日立ハイテクサイエンス独自の試料観察機能「Real View®」を搭載することにより、弾性率に関わるデータだけでなく200万画素カメラで撮影した画像で試料の寸法・色彩などの変化もリアルタイムに確認でき、お客さまのニーズに合ったさまざまなデータを取得可能です。
本製品は2023年9月6日(水)から8日(金)まで、幕張メッセ国際展示場(千葉県)で開催される「JASIS2023(最先端科学・分析システム&ソリューション展)」において、実機の展示を行う予定です。
【製品情報】
https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/products/analytical-systems/thermal-analysis/nexta-dma.html?cid=06:04:56:13:20230829
