65fs Typ.※1の低位相ジッタを実現した差動出力水晶発振器「SG7050EBN」を商品化
本商品は100MHzから175MHzまでの周波数に対応し、位相ジッタは65fs Typ.と、ハイエンドルーターなどの有線ネットワーク機器や高速シリアル通信のリファレンスクロックに求められる高度な水準の仕様を実現しています。
近年、各種ネットワークにおける通信の大容量化・高速化に伴い、お客様からさまざまなシステム構築において必要な性能をさらに向上できるリファレンスクロックの要望が高まっています。特にネットワーク機器では、システム性能の重要なパロメーターとなる位相ジッタに対する低ジッタ化の要求が強く、対応した商品が望まれていました。
そこでエプソンでは、自社開発した100MHz以上の基本波発振ができるHFF水晶振動子※5と低ノイズ設計された発振用ICとを組み合わせることで、65fs Typ.の低位相ジッタを持つLV-PECL差動出力の水晶発振器を実現しました。
さらに差動出力形式は、HCSL、LVDS出力の対応機種を順次ラインアップすることで、ネットワーク機器に要求される多様な出力形式に対応していく予定です。また、より小型な5032(5.0×3.2×1.0t(Typ.)mm)パッケージの商品もそろえ、お客様の設計自由度の向上にも大きく貢献していきます。
今後もエプソンは、独創の強みである水晶微細加工技術と半導体技術を核にしたデバイスソリューションで、お客様の安心・安全・快適に寄与してまいります。
■本商品の特長
1.低ノイズ・低ジッタ
本商品は、100MHz以上の基本波発振ができるHFF水晶振動子とノイズ特性の優れた発振用ICを組み合わることで、65fs Typ.の低位相ジッタを実現しています。
2.周波数範囲:100MHz~175MHzの範囲に対応します。
本商品の詳細情報は下記ウェブページをご参照ください。
SG7050EBN: http://www5.epsondevice.com/ja/quartz/product/osc/spxo/sg7050ebn.html
【用語解説など】
※1 LV-PECL差動出力での156.25MHzにおけるオフセット周波数12kHz~20MHzでの実測値。
※2 基本波
水晶振動子の振動モードのうち基本振動(1次)による振動。
※3 ジッタ
クロックの周期の揺らぎのことで、画像の揺らぎやデータ転送でのビットエラーなどの原因になることがある。
※4 差動出力
互いに極性が反対の周波数信号を出力する方式。高い周波数の伝送が可能で、ノイズに強いなどの特長がある。
※5 HFF(High-Frequency Fundamental)水晶振動子
フォトリソ加工により、励振部のみを数ミクロンという極薄な構造(逆メサ構造)にすることで、強度を保ちながら高周波での基本波発振を可能にした水晶振動子。近傍の高調波成分を抑制することができるため、高速・大容量通信の安定に貢献する。
