利便性と高確度を両立し、信頼性の高い測定を実現。クランプ型電流センサー 5機種を発売
クランプ型電流センサーは、測定対象のケーブルを切断せずに測定できる利便性が特長のセンサーです。このたび、クランプ型電流センサーとして測定確度が向上し、より信頼性の高い測定を実現できました。利便性と高確度が両立したことで、ケーブルを切れない組立済みの電気自動車で正確な消費電力測定が可能になり、国際的な燃費評価基準であるWLTP試験などでの活躍が期待できます。
■開発の背景
昨今の電気自動車開発における電力評価では精度の高い測定が求められています。組立済みの電気自動車は電力測定のためにケーブルを切断できません。ケーブルを切ることなく測定できるクランプ型電流センサーは、その利便性が評価される一方、測定確度面で満足いただけないことが課題となっていました。
当社は1971年から蓄積してきたクランプ技術を礎に改良を重ね、クランプ型電流センサーの利便性と測定確度の両立に成功しました。利便性と測定確度の両立によって、設置済み機器の実稼働状態での高精度電力評価に活躍の場が広がります。設置済みの発電設備、急速充電設備、およびバッテリーなどの電力測定に欠かせない電流センサーです。
■特長
1.直流電流の測定確度向上
AC/DCカレントプローブにおけるクランプ先端の噛み合わせ部の構造改良と磁気回路の最適設計により、高確度な直流電流測定を可能にしました。測定確度は従来の±0.3%から±0.2%に向上しました。
2.すぐに高確度な測定ができる
先日出荷開始した当社の高精度電力計「パワーアナライザ PW8001」では、測定に応じてさまざまな種類の電流センサーが選択できます。正確な電力測定をするためには、電流センサーの設定が必要です。今回発売するAC/DCカレントプローブは、PW8001に接続するだけで自動的に設定が完了します。電流センサー内部に記録された形名や製造番号、校正データなどセンサー個体ごとの情報が自動でPW8001に送信されることで、従来よりも高確度な電力測定を実現します。すぐに測定を開始でき、作業者の設定ミスによる測定値の間違いも防ぐことができます。
3.性能向上で信頼性アップ
測定確度以外でも、従来のクランプ型電流センサーより性能が向上しています。周波数帯域を拡大、CT6841Aでは2MHzまで広げることに成功しました。電気自動車やPVインバーター(太陽光発電のパワーコンディショナー)の高周波電力も、信頼性の高い測定ができます。
■主な用途
自動車のWLTP燃費性能評価試験における電力計測電気自動車のバッテリー電力測定PVインバーター(太陽光発電向けパワーコンディショナー)の効率評価
■年間販売目標台数(国内外)
CT6841A、CT6843A、CT6844A、CT6845A、CT6846A 合計10,000台/年
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