コラム:自律型ロボットに最適なコンピュータ・オン・モジュール
コンガテックでは、さまざまなアプリケーションの要件に対応する、広範なコンピュータ・オン・モジュールを用意しています。
ここでは各アプリケーションの概要と、それに適したコンピュータ・オン・モジュールをご紹介いたします。
自律型ロボットに採用されるコンピュータ・オン・モジュール:COM Express / COM-HPC (2023年9月)
コンピュータの高性能化とセンサ技術の進歩により、ロボットはよりスマートになり、状況を認識して自律的に動作するようになってきています。 究極の目標は、自律型ロボットが大規模な産業プラントや建設現場など、平坦ではない敷地で、最先端の自律性と移動性を活用することによって、熟練した人間と同じように複雑なタスクを実行できるようにすることです。 これにより、作業者を危険な環境から解放し、データ取得の精度と信頼性を向上させることが可能になります。 そのような自律型ロボットの適用範囲としては、洋上風力発電所、石油掘削、鉱山、および通路に障害物がある産業施設などの、厳しく険しい場所が想定されます。
自律型ロボットシステム(ARS: Autonomous Robotic Systems)は、広範な状況を認識して安全かつ確実に動作するために、さまざまな知覚センサにより大量のデータを収集し、迅速に解析する必要があります。 このローカリゼーション(自己位置推定)と、マッピング(環境地図作成)の同時実行(SLAM: Simultaneous Localization and Mapping)は非常に複雑で、動的な環境でも機能する必要があり、障害物を検知して地形情報収集し、経路を決定しなければなりません。 その移動のタスクに加えて、ミッションも遂行しなければならず、多くのタスクを同時実行できるだけのコンピューティングパワーが必要になるため、ひとつのコア上で複数のサブタスクを分離実行させるための仮想化が必要なケースもあります。 このようなアプリケーションを、短期間で開発コストを抑えて構築するために、COM Express や COM-HPC などのコンピュータ・オン・モジュールを活用するケースが増えてきています。 コンピュータ・オン・モジュールは、プロセッサやメモリ、高速インタフェースなども含め、すべての主要な部品が搭載され、動作検証がおこなわれているため、システム開発者は複雑なプロセッサ周りの設計や検証をおこなうことなく、キャリアボードの設計に専念することができます。
コンガテックの COM Express や COM-HPC は、リアルタイムシステムズ社の仮想化をサポートするハイパーバイザのほか、Linux、Windows、VxWorksなど、主要なRTOSに対して、必要なドライバやファームウェアを含む包括的なボード・サポート・パッケージが提供されているため、アプリケーションソフトウェアの開発も容易になります。 コンガテックは、幅広い製品ポートフォリオと包括的なソフトウェア、技術資料、そして将来に向けたアップグレードパスを用意しており、長期の製品ライフサイクルを提供しているため、自律型ロボットのコンピューティング エンジンとして最適な選択肢になります。
自律型ロボットに最適なCOM Express/COM-HPC製品
インテル Xeon D (Ice Lake D) 搭載製品
・ conga-HPC/sILH: COM-HPC Server Size D モジュール
インテル Xeon D-2700シリーズ、メモリ:4x DIMM ソケット、DDR4、最大512GB
・ conga-HPC/sILL: COM-HPC Server Size D モジュール
インテル Xeon D-1700シリーズ、メモリ:4x DIMM ソケット、DDR4、最大256GB
・ conga-B7Xl: COM Express Basic Type 7 モジュール
インテル Xeon D-1700シリーズ、メモリ:最大 4x SO-DIMM ソケット、DDR4、最大128GB
第13世代 インテル Core (Raptor Lake) 搭載製品
・ conga-HPC/cRLS: COM-HPC Client Size C モジュール
第13世代 インテル Core LGAタイプ、メモリ:4x SO-DIMM ソケット、DDR5、最大128GB
・ conga-HPC/cRLP: COM-HPC Client Size A モジュール
第13世代 インテル Core BGAタイプ、メモリ:2x SO-DIMM ソケット、DDR5、最大64GB
・ conga-TC675: COM Express Compact Type 6 モジュール
第13世代 インテル Core BGAタイプ、メモリ:2x SO-DIMM ソケット、DDR5、最大64GB
[参考資料]
COM Express と COM-HPC についての理解を深めるために、コンガテックジャパンでは、各種の日本語版ドキュメント(技術記事/ホワイトペーパー/ケーススタディ)を公開しています。
COM-HPC や COM Express などコンピュータ・オン・モジュールの選択肢は多く、さまざまなプロセッサ、タイプ、そしてサイズが用意されています。 コンガテックジャパンでは、お望みのプロセッサ、タイプ、サイズから製品を見つけやすくするために、コンピュータ・オン・モジュール選定ガイド を公開しています。 また、評価ボード/キャリアボードの選定ガイド も公開しています。 新しいプロジェクトにお役立てください。
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コンガテックについて
コンガテック(congatec)は、標準フォームファクターの COM-HPC、COM Express、Qseven、SMARCなどの産業用コンピュータモジュール、
およびシングル・ボード・コンピュータ(SBC)の設計開発・製造・販売をおこなうドイツに本社を置くメーカーです。これらの製品は、堅牢で長期供給
が可能で、産業オートメーション、医療、エンターテインメント、輸送、テレコミュニケーション、試験と計測、POSなど、さまざまな産業分野で使用する
ことができます。製品には独自の拡張BIOS機能と、包括的なドライバやボード・サポート・パッケージ(BSP)が含まれています。ニーズに合わせて
製品のカスタマイズなどもおこなっています。